Vocalise Op.34-14 Chetyrnadtsat’ romansov |
ヴォカリーズ 14のロマンス |
歌詞はありません
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ラフマニノフの書いた歌曲作品の中でもっとも良く知られているばかりか、彼の全作品の中でも指折りの有名曲がこのヴォカリーズです。母音歌唱で歌われる歌詞のない歌ですが、どっぷりと濃厚なロシア情緒が言葉を尽くすよりも美しい味わいを醸し出しているからでしょうか。男女問わず声の質問わず良く歌われています(といってもバス歌手の歌うこの歌だけは私はまだ聴いたことはないです。他の声は大体誰か取り上げておりますが)。そればかりでなく声のパートを様々な独奏楽器に置き換えて、ソロとピアノ伴奏、あるいはソロ楽器とオーケストラのショウピースとしても非常に良く取り上げられます。なかでもとりわけチェロ独奏で取り上げられることが飛びぬけて多いような感じです。
もともとはAntonina Nezhdanovaというコロラトゥーラ歌手のために書かれたので、濃密な情緒よりはもっと透明感を出す方が重要なのでしょうが、そのスタイルで見事に歌われたものの中では私はナタリー・デセイのものが気に入っています。
( 2012.01.10 藤井宏行 )