Waldung,sie schwankt heran Symphony no. 8 Part.2 |
森、それは揺らぐ こなたへと 交響曲第8番第2部 |
Bergschluchten,Wald,Fels,Einöde. HEILIGE ANACHORETEN - gebirgauf verteilt,gelagert zwischen Klüften CHOR UND ECHO Waldung,sie schwankt heran, Waldung,sie schwankt heran, Felsen,sie lasten dran, Felsen,sie lasten dran, Wurzeln,sie klammern an, Wurzeln,sie klammern an, Stamm dicht an Stamm hinan. Stamm dicht an Stamm hinan. Stamm dicht an Stamm hinan. Woge nach Woge spritzt, Woge nach Woge spritzt, Höhle,die tiefste,schützt. Höhle,die tiefste,schützt. die tiefste, Löwen,sie schleichen stumm, Freundlich um uns herum, Ehren geweihten Ort, Heiligen Liebeshort. PATER ECSTATICUS (auf und abschwebend) Ewiger Wonnebrand Glühendes Liebeband, Glühendes Liebeband, Siedender Schmerz der Brust, Schäumende Gotteslust, Schäumende Gotteslust! Pfeile,durchdringet mich, Lanzen,bezwinget mich, Keulen,zerschmettert mich, Blitze,durchwettert mich! Daß ja das Nichtige Alles verflüchtige, Glänze der Dauerstern, Ewiger,ewiger Liebe Kern! PATER PROFUNDUS (tiefe Region) Wie Felsenabgrund mir zu Füßen Auf tiefem Abgrund lastend ruht, Wie tausend Bäche strahlend fließen Zum grausen Sturz des Schaums der Flut Wie strack,mit eig'nem kräft'gen Triebe, Der Stamm sich in die Lüfte trägt; So ist es die allmächt'ge Liebe, Die alles,alles bildet,alles hegt. Ist um mich her ein wildes Brausen, Als wogte Wald und Felsengrund, Und doch stürzt,liebevoll im Sausen, Die Wasserfülle sich zum Schlund, Berufen gleich das Tal zu wässern: Der Blitz,der flammend niederschlug, Die Atmosphäre zu verbessern, Die Gift und Dunst im Busen trug, Sind Liebesboten,sie verkünden, Was ewig schaffend uns umwallt. Mein Inn'res mög' es auch entzünden, Wo sich der Geist,verworren,kalt, Verquält in stumpfer Sinne Schranken, Scharf angeschloss'nem Kettenschmerz. O Gott! beschwichtige die Gedanken, Erleuchte mein bedürftig Herz! |
山と谷間、森、岩、荒れ果てた地 神聖な隠者たちが 山の上より散らばり、峡谷の間に座す 合唱とこだま 森、それは揺らぐ こなたへと 森、それは揺らぐ こなたへと 岩、それはそそり立つ その上に 岩、それはそそり立つ その上に 根、それは張り付いて 根、それは張り付いて 幹は幹と競い合いつつ聳える 幹は幹と競い合いつつ聳える 幹は幹と競い合いつつ聳える 波は波を追ってほとばしり 波は波を追ってほとばしり 洞窟は、その奥深くを、守っている 洞窟は、その奥深くを、守っている その奥深くを、 獅子たち、彼らは黙って這い回り 親しげにわれらが周りを巡りつつ 讃えるのだ この聖なる地を 高貴なる愛の聖地を 法悦の教父(上下に漂いながら) 永遠なる喜びの炎、 燃え立つ愛のきずな、 燃え立つ愛のきずな、 沸沸き上がる胸の痛み 泡立てる神の悦び! 泡立てる神の悦び! 矢よ、われを貫け 槍よ、われを突き刺せ、 棍棒よ、われをうち砕け、 稲妻よ、われを貫け こうして虚しきものは すべて消えうせるのだ 永遠なる星よ輝け 永遠の 永遠の愛の中心よ! 瞑想する教父(低い地で) 岩の断崖がわが足元にて 深き淵の上にのしかかるように 幾千の小川が輝き流れて、 水の泡立つ恐ろしき滝となるように まっすぐに、自らの力強い衝動により 幹が空へと伸び行くように これぞ全能の愛なのだ すべてを すべてを創り、すべてを育むものは わが周囲では荒々しきほとばしりが 揺らしている 森も岩根も そして更に落ち行く、愛に満ちてざわめきの中を 豊かな水の流れは深淵へと 谷間を水が潤す役目を果たすがごとく: 稲妻は炎をあげて下界に落ちる 大気を清めるために 毒気と湿気をそのふところに孕む大気を これはみな愛の使者、かれらは告げる、 永遠に創造しつつわれらの周囲を漂うもののことを わが内にもまたそれが火をつけて欲しいものだ そこでは精神が、乱れ、冷え切り 苦しめられている 感覚をにぶく閉ざされた中で 鎖につながれた激しい痛みに おお、神よ! この妄想を静め、 光を与えたまえ わが貧しき心に! |
マーラーの大作、その第二部はゲーテの「ファウスト」、その第2部の大詰めの死んだファウストの魂が聖母に、そしてグレートヒェンの生まれ変わりである贖罪の女によって救済されるシーンをほとんどそっくりそのまま使っています。一部カットや、歌詞にするときの繰り返しがありますので、そのあたりをできるだけ忠実に(合唱などでの重なり合っている部分については一部省略しております)なぞってみることにしました。
冒頭部分は10分以上もかかる長い管弦楽の序奏で、鬱蒼たる森と岩山の情景が描き出されます。
一時管弦楽が盛り上がった後、冒頭の静かな場面に戻り、聞こえるか聞こえないかのピアニッシモで合唱が入ってきます。情景描写のようでもありますが、このあとで出てくる聖者たちも交えた隠者たちがここで囁いているということのようにも思えます。続く登場は法悦の教父(バリトン)、楽しげなメロディに乗せて歌ってはおりますが、歌詞をよくよく見ますと苦行をしてエクスタシーの境地にいる人のようですね。上下に飛びながらというのもエクスタシーの情況をよく表しております。
引き続き今度は低いところから瞑想にふける教父(バス)、この人はまわりの情景を客観的に眺めております。自らがまだ完全な悟りの境地にたどり着けていないことを嘆いているかのようです。
ゲーテの原作ではこのあとに、「天使に似た教父(中間の高さで)」という人が出てきて、マーラーの曲でもこのあと活躍する少年たち(生まれてすぐに天に召された子供のため、魂がまだ穢れていない)を教え導いていますが、この部分はマーラーはカットしています。
ゲーテの原作ではこのあとに、「天使に似た教父(中間の高さで)」という人が出てきて、マーラーの曲でもこのあと活躍する少年たち(生まれてすぐに天に召された子供のため、魂がまだ穢れていない)を教え導いていますが、この部分はマーラーはカットしています。
( 2011.12.30 藤井宏行 )