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こだまでしょうか    
  組曲「ほしとたんぽぽ」
 
    

詩: 金子みすゞ (Kaneko Misuzu,1903-1930) 日本
      

曲: 中田喜直 (Nakada Yoshinao,1923-2000) 日本   歌詞言語: 日本語


「あすぼう」って いうと
「あすぼう」って いう。
 
「ばか」って いうと
「ばか」って いう。
 
「もうあすばない」って いうと
「あすばない」っていう。
 
そうして、あとで
さみしく なって、
 
「ごめんね」って いうと
「ごめんね」って いう。
 
こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。
(そう)



忘れ難い今年の3月11日の震災のあと、テレビ放送で繰り返し繰り返し流されたAC公共広告機構のCMで一躍有名になった金子みすゞの詩、これを含めた彼女の代表的な詩14篇に中田喜直が曲をつけています。独唱とピアノがオリジナルのようですが、いくつかの曲は女声合唱曲にもなっています(この「こだまでしょうか」もそのひとつです)。
素朴なピアノ伴奏にとても優しいメロディ、中田メロディの中でも「かわいいかくれんぼ」や「あひるの行列」のような童謡の系譜につながる歌です。
この曲もピアノとの掛け合いがとても愛らしい、そっと囁く歌声が魅力的な歌です。曲の最後の(そう)、は原詩にはないようですが、歌にするにあたってはこの一言がとても大事なようですね。14曲の中では地味な方の曲ですが、じっくり聴くと味わい深いです。
金子みすゞは1930年に亡くなっておりますので、日本の国内法的には著作権は切れているのですが、「金子みすゞ著作保存会」というところがみすゞ作品を利用する際に許可を求めるようにと要請しております。それに対して疑問なしとはしないのですが、14篇の詩全部のご紹介は控えることとし、以下に中田の取り上げた14篇のリストを載せるのみに留めます。「わたしとことりとすずと」や「たいりょう」「ほしとたんぽぽ」など、良く知られた金子の詩を彼がどのような音楽にしているのか、関定子や松倉とし子などいくつかCDにもなっているようですのでぜひ耳にしてみてください。

つゆ
こだまでしょうか
みんなをすきに
わたしとことりとすずと
まゆとはか
さびしいとき
たいりょう
おさかな
いぬ
つち
つもったゆき
わらい
こころ
ほしとたんぽぽ

( 2011.12.30 藤井宏行 )


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