På Norges nøgne fjelde Op.59-2 Elegiske Digte af John Paulsen |
ノルウェイの岩山の上 ヨン・パウルセンの悲しい詩 |
På Norges nøgne fjelde en gran så ensom står. Den slumrer; et snehvidt lagen omkring den Vinteren slår. Den drømmer om en palme,der fjernt i morgenland sørger forladt og stille i ørkenens hede sand. |
ノルウェイの岩山の上 一本のモミの木がひとりぼっちで立っていた 木はまどろんでいた、白い雪の層に覆われて 夢見ていたのだ 一本のヤシの木のことを はるか遠くの朝の国の ひとりを嘆き 静かに砂漠の暑い砂の上に立つヤシの木を |
これはハイネの詩として知られた「唐檜と棕櫚」そのままの内容です。あまりに一致しているのでパウルセン作というのもはばかられるのですが、ハイネの原詩にないノルウェーという地名も入っていますので一応パウルセンの詩ということにしておきましょう。雪の降り積んでいるような静かなピアノの伴奏に伴われて民謡のような素朴なメロディが流れ出します。南の国のヤシの木の情景も、このノルウェーのモミの木の見ている夢なのでしょうか、とても寒々としていています。
( 2011.11.04 藤井宏行 )