Vom Tode Mariä III Op.27-15 Marienleben |
マリアの死について III マリアの生涯 |
Doch vor dem Apostel Thomas,der kam,da es zu spät war,trat der schnelle längst darauf gefaßte Engel her und befahl an der Begräbnisstelle: Dräng den Stein beiseite. Willst du wissen, wo die ist,die dir das Herz bewegt: Sieh: sie ward wie ein Lavendelkissen eine Weile da hineingelegt, daß die Erde künftig nach ihr rieche in den Falten wie ein feines Tuch. Alles Tote (fühlst du),alles Sieche ist betäubt von ihrem Wohl-Geruch. Schau den Leinwand: wo ist eine Bleiche, wo er blendend wird und geht nicht ein? Dieses Licht aus dieser reinen Leiche war ihm klärender als Sonnenschein. Staunst du nicht,wie sanft sie ihm entging? Fast als wär sie's noch,nichts ist verschoben. Doch die Himmel sind erschüttert oben: Mann,knie hin und sieh mir nach und sing. |
しかし使徒トマスが到着する前に その到着は遅かったのだが 足取りを速めて いち早く予測してそこに来ていた天使は 埋葬の場所について命じた その石を脇にどけよ 汝は知りたいか どこにその女がいるのかを 汝の心を動かした女が 見よ 彼女は香料入りの枕のごとくに しばしの間 そこに収められていたのだ これより大地は彼女の香りを留めるであろう その襞の間に 精妙な布のごとく すべての死は(汝は感じるか)しべての病は 彼女の香りによって力を失うのだ 見よこの布を どこに白く晒した跡がある まばゆくも縮まないこの布は? この清らかな遺体からの光こそが この布を太陽の光以上に清らかなものとしたのだ 汝は驚かぬか 軽やかに彼女がそれを脱ぎ捨てたことに? なおもまだそこに彼女がいるかのように 何も乱れてはいない だがしかし 天は高みにてうち震えているのだ 人よ ひざまずきそして我を見よ そして歌うのだ |
第3曲は再び地上の世界に戻って、マリアの死を歌います。葬儀をひとりの天使が仕切っているようですね。ここで語られている布とは、マリアの死の最初の曲で描写されていた彼女が形見分けした衣のことでしょうか。
ヒンデミットの曲は最後に来て再び堂々と盛り上がりを見せます。いかにも彼らしい叩きつけるリズムのメロディの伴奏に乗せて、力強く歌われて行くこの歌は歌曲集の中でも指折りに印象的な曲です。
( 2011.08.14 藤井宏行 )