Das Kreuz Op.15-1 5 geistliche Lieder |
十字架 5つの聖なる歌 |
Das Kreuz,das mußt' er tragen bis an die selbige Statt, wo er gemartert ward. Maria,die stund auch dabei und weint' ganz bitterlich um ihren Jesu Christ. 'O Mutter,laß das Weinen! Die Martern,die sind klein, das Himmelreich ist mein.' |
十字架、それは主が運ばねばならなかったもの 御みずから かの場所まで そこで主は拷問を受けたのだ マリア様も、そのときにはおそばにおられて とても痛ましくお嘆きになった 彼女のイエス・キリストのことで おお母君、そのように泣くのではありません この拷問など、小さなことです 天国は私のものなのですから |
ソプラノの歌に、フルート、クラリネット、トランペット、ハープ、ヴァイオリン(またはヴィオラ)の伴奏による作品15は1917〜22にかけての作曲。めくるめく色彩感が鮮烈な歌曲集です。興味深いのは5曲すべてがキリスト教にまつわる信仰の歌であるということ。前衛音楽の闘士とこういう素朴な信仰の喜びを歌った詩というのは私にはどうも結びつかないところが大なのですが、やはりキリスト教の伝統が深い西欧ならではのことでしょうか。
第1曲はペーター・ローゼガーという人の詩につけた作品、この歌曲集でも3曲がこの人の詩につけた歌です。
( 2011.07.21 藤井宏行 )