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Nie ward ich,Herrin,müd'   Op.8-4  
  6 Orchesterlieder
決して私は、飽きることなく  
     六つのオーケストラ伴奏歌曲

詩: フェルステル,カール (Karl August Förster,1784-1841) ドイツ
      Io non fu' d'amar voi lassato unquancho 原詩: Francesco Petrarca ペトラルカ,Canzoniere - 1. Rime In vita di Madonna Laura,82

曲: シェーンベルク,アルノルト (Arnold Schonberg,1874-1951) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Nie ward ich,Herrin müd',um Euch zu minnen,
noch werd' ich's sein,weil ich am Leben bleibe;
vom eignen Haß nun doch ans Land ich treibe,
und kraftlos macht der Tränen endlos Rinnen.

Will lieber mir ein schön,weiß Grab gewinnen,
als daß zur Schmach man Euren Namen schreibe
auf Marmor mir,trennt sich mein Geist vom Leibe,
der wohl nunmehr ihm länger wohnet innen.

Drum,kann ein Herz,in Lieb und Treu erfahren,
Euch,ohn' ihm Qualen zu bereiten,gnügen,
laßt diesem Euren Gnade widerfahren!

Meint Euer Zorn auf andre Art zu siegen,
er irrt,und wird nie,was er denkt,gewahren;
das dank',o Lieb',ich mir und deinem Fügen!

決して私は、飽きることなくあなたを愛しました
これからもそうするでしょう、この命の続く限り
自らの憎しみゆえに 今私はこの地にきています
そして力を失うのです 限りない涙の流れゆえに

私はむしろ 美しく白い墓に入りたいのです
辱めのために 人があなたの名を刻み込むのであれば
私の墓石の上に、わが魂がこの肉体を離れたときには
ですがもうしばらくはこの魂は肉体とともにあるでしょう

ですから私の心にはできるのです、愛と誠を知っているがため
あなたに、苦しみを覚えることなく、ご満足いただくことが
この心にあなたのお恵みをお与えください

あなたのお怒りが別の形で勝利するとお考えならば
それは間違いです、お考えの結果は決して得られないでしょう
それゆえ感謝します、おお愛よ、私と愛の定めに対し


シェーンベルクのオーケストラ伴奏による濃密な歌曲集作品8、後半の3曲はすべてイタリアの14世紀の文豪ペトラルカのソネットをドイツ語に訳したものにつけられています。それぞれが愛の違った情景を描き出していますが、この曲はワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を思わせるような濃密な愛と死の姿。最後の激しい盛り上がりは見事です。
ペトラルカのソネットとしては82番目。

( 2011.07.16 藤井宏行 )


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