Schlafen,Schlafen,nichts als Schlafen Op.2-1 Vier Gesänge |
眠る、眠る、眠る他 何もない 4つの歌 |
Schlafen,Schlafen,nichts als Schlafen! Kein Erwachen,keinen Traum! Jener Wehen,die mich trafen, Leisestes Erinnern kaum, Daß ich,wenn des Lebens Fülle Niederklingt in meine Ruh', Nur noch tiefer mich verhülle, Fester zu die Augen tu! |
眠る、眠る、眠る他 何もない! 目覚めもなく、夢もない! あの苦しみ、私を襲ったものでさえ 穏やかに思い出すことさえなく 人生の充実が 私の眠りの中にまで響いてこようと 私はただ自分を深くふとんの中にもぐり込ませ 固くこの目を閉じるのだ |
アルバン・ベルクの作品2は4曲からなる歌曲集。最初の3曲が眠りに関わる詩を選んで曲を付け、4曲目だけ「眠り」という言葉はないですが、死という永遠の眠りについての歌、1910年、初期の7つの歌に続いて書かれたこれら歌曲は爛熟したロマンが詩の幻想的な味わいに見事に寄り添って、彼の作品の中でも魅力的なもののひとつとなりました。
第1曲目はひたすらに静かな音楽。眠りを誘う子守歌のようです。詩はシューマンやブラームスの歌曲などで良く名を見かけるフリードリヒ・ヘッベル(1813-1863) 、ベルクの時代にはすでに古典となったとも言える古い詩です。この詩人のDem Schmerz sein Recht(痛みには訳がある)という作品からの詩。
( 2011.07.09 藤井宏行 )