J'ai perdu ma force et ma vie S.327 |
ぼくは活力と生命力をなくした |
J'ai perdu ma force et ma vie, Mes amis et ma gaieté, J'ai perdu jusqu'à la fierté, Qui faisait croire à mon génie. Quand j'ai connu la vérité J'ai cru que c'était une amie; Quand je l'ai comprise,quand je l'ai sentie, J'en étais déjà dégouté. Et pourtant elle est éternelle Et ceux,qui se sont passés d'elle Ici-bas ont tout ignoré. Dieu parle,il faut qu'on lui réponde: Le seul bien,qui me reste au monde Est d'avoir quelque fois pleuré. |
ぼくは活力と生命力をなくした 友人たちとそして快活さもだ ぼくは自信すらなくしたのだ 自分の天才を信じさせてくれていた自信さえも ぼくが真理を見た時には ぼくはそれは友だと思った だがぼくがそれを理解したとき、感じ取ったとき ぼくはもうそれにうんざりしていた しかしそれでも真理は永遠で 真理を捨てた者たちはみな この世では無視されることとなるのだ 神が語りかけ、人は答えなければならない ただひとつ、この世で私に残されたもの それは何度も涙してきたということだ |
後期には少なくなったフランス語の詩につけた歌曲、ここではリストにしては珍しいアルフォンス・ミュッセの詩が選ばれています。哲学的ともいえる深遠な内容にリストもしみじみと重い語りのようなメロディをつけています。ソネット(14行詩)後半のところでのピアノの高音のトリルが心の震えを表すようで鮮烈。最後は眠りにつくように静かに消えゆくように終わります。
( 2011.07.11 藤井宏行 )