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The Lent Lily    
  The Land of Lost Content
ラッパ水仙  
     失われた満足の地

詩: ハウスマン (Alfred Edward Housman,1859-1936) イングランド
    A Shropshire Lad 29 The Lent Lily

曲: アイアランド (John Ireland,1879-1962) イギリス   歌詞言語: 英語


Tis spring; come out to ramble
The hilly brakes around,
For under thorn and bramble
About the hollow ground
The primroses are found.

And there's the windflower chilly
With all the winds at play,
And there's the Lenten lily
That has not long to stay
And dies on Easter Day.

And since till girls go maying
You find the primrose still,
And find the windflower playing
With every wind at will,
But not the daffodil.

Bring baslkets nw,and sally
Upon the spring's array,
And bear from hill and valley
The daffodil away
That dies on Easter Day.

さあ春だ:出かけてそぞろ歩きをしよう
山の茂みのまわりを
茨やサンザシの下
この谷間のそばには
プリムローズの花が見つかるだろう

それから寒々としたウインドフラワー
強い風と戯れている
そしてラッパ水仙
この花は長く咲くことなく
イースターの日には枯れてしまう

娘たちが花摘みに行くときまで
プリムローズはまだ見つかるだろう
ウインドフラワーも遊んでいるのが見られるのだ
あらゆる風と思いのままに
だが水仙はもういないだろう

さあバスケットを持って行こう
春の装いの上
そして山から谷から奪い取れ
このラッパ水仙を
イースターの日には枯れてしまう花を


アイアランドの6曲からなる歌曲集「失われた満足の地(The Land of Lost Content)」は、ハウスマンの詩集「シュロップシャーの若者」より詩を選んでいます。曲集のタイトルとなったThe Land of Lost Contentというのもハウスマンがこの愛するシュロプシャーの地を詩集の中でこう呼んでいるもので、詩集の41番目の詩の中にこんなフレーズがあります。

  That is the land of lost content,
  I see it shining plain,

アイアランドの選んだ詩は明るいものも暗いものもありますが、6篇いずれもが死の影を引きずった深みのあるものばかりのような感じです。
音楽の緻密さにも助けられて、大変聴きごたえのある英文学のアンソロジーです。

第1曲は早春の穏やかな情景。はかなく枯れてしまうLent Lily(ラッパ水仙という訳語をあてましたが、山に咲く白、または薄い黄色のラッパ状の花をつけるユリ科の植物なのだそうです)への思いを静かに歌います。アイアランドのつけた印象派風のピアノ伴奏が歌の静けさにマッチしてとても魅力的な音楽です。
ハウスマンの詩集では29番目の詩です。


( 2011.04.30 藤井宏行 )


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