Venetianische Lied II Op.25-18 Myrten |
ヴェネツィアの歌II ミルテの花 |
Wenn durch die Piazetta die Abendluft weht, dann weißt du,Ninetta, Wer wartend hier steht. Du weißt, Wer trotz Schleier und Maske dich kennt, Wie die Sehnsucht im Herzen mir brennt. Ein Schifferkleid trag' ich zur selbigen Zeit, und zitternd dir sag' ich: das Boot ist bereit! O komm jetzt,wo Lunen noch Wolken umzieh'n, laß durch die Lagunen, Geliebte,uns flieh'n! |
広場を通り抜けて 夕べのそよ風が吹くときには そのときは分かってるよな、ニネッタ 誰がここに立って待ってるのかを お前は分かるよな、 誰がヴェールやマスクをしててもお前のことが分かるのかを どんなにこの憧れが 俺の心の中で燃えているのかを 水夫の服を俺は着て その時になったら 震えながら俺はお前に言うぜ ボートの準備はできてるって! さあ今すぐ来いよ、月が 雲で覆われているうちに この潟を抜けて 恋人よ、俺たち漕ぎだそうぜ、ってな! |
前の曲に引き続きアイルランドの民謡詩人・トマス・ムーアの書いた英語の詩を、リストの歌曲などの詩で知られたフェルディナンド・フライリヒラートがドイツ語訳したものに曲をつけています。同じ詩にはメンデルスゾーンも曲をつけていて、ほの暗い情熱を乗せてひそやかに歌われて印象的ですが、シューマンの方は前の曲に引き続いて軽やかに飄々としており両者の解釈が対照的なのが興味深いところです。
( 2011.04.10 藤井宏行 )