Venetianische Lied I Op.25-17 Myrten |
ヴェネツィアの歌I ミルテの花 |
Leis' rudern hier,mein Gondolier, Leis',leis'! Die Flut vom Ruder sprühn so leise.Laß,daß sie uns nur Vernimmt,zu der wir zieh'n! O könnte,wie er schauen kann, Der Himmel redentraun, Er spräche vieles wohl von dem, Was Nachts die Sterne schau'n! Nun rasten hier,Mein Gondolier, Sacht,sacht! Ins Boot die Ruder! sacht! Auf zum Balkone schwing' ich mich, doch du hältst unten Wacht, O wollten halb so eifrig nur dem Himmel wir uns weih'n, als schöner Weiber Diensten trau'n, wir könnten Engel sein! Sacht! |
ここではそっと漕ぐのだ、わがゴンドラ乗りよ そっと、そっとだ!櫂のしずくを飛び散らせ とても静かに、それがたったひとりの人にだけ 聞こえるようにだ、われらが目指すあの人だけに! おお、こうしてご覧になられているように 天が話してくださるのなら、ほんとうに たくさんのことをお話くださるのだろうに 毎晩 星たちは何を見ているのかを! さあ止めるのだ ここで わがゴンドラ乗りよ 静かに、静かにだ!櫂を舟にしまえ バルコニーへと私は飛び移る だがお前は下で見張っていてくれ おお この熱心さのほんの半分でも 私たちが天に自らを捧げるなら 美しい女性たちに尽くすこの努力の半分だけでも 私たちは天使になれてしまうだろう |
なぜかアイルランドの詩人トマス・ムーアの書いたイタリア・ヴェニスの歌です。ドイツ語の歌詞に訳したのはフェルディナンド・フライリヒラート。優しげでほのかなユーモアを讃えた詩とメロディは聴いていて思わず微笑んでしまいます。最後の節の自嘲の言葉がとりわけ秀逸でしょうか。
( 2011.04.10 藤井宏行 )