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Auferstehung    
  Symphony no. 2
復活  
     交響曲第2番

詩: マーラー,グスタフ (Gustav Mahler,1860-1911) オーストリア
      Die Auferstehung 原詩: Friedrich Gottlieb Klopstock クロップシュトック

曲: マーラー,グスタフ (Gustav Mahler,1860-1911) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Aufersteh'n,ja Aufersteh'n wirst du,
Mein Staub,nach kurzer Ruh!
Unsterblich Leben! Unsterblich Leben
Wird,der dich rief,dir geben!  

Wieder aufzublüh'n wirst du gesät!
Der Herr der Ernte geht
Und sammelt Garben
Uns ein,die starben!

O glaube,mein Herz,o glaube:
Es geht dir nichts verloren!
Dein ist,dein,ja dein,was du gesehnt!
Dein,was du geliebt,was du gestritten!
O glaube: du warst nicht umsonst geboren!
Hast nicht umsonst gelebt,gelitten!  

Was entstanden ist,das muß vergehen!
Was vergangen,auferstehen!
Hör' auf zu beben!
Bereite dich,zu leben!  

O Schmerz! Du Alldurchdringer!
Dir bin ich entrungen!
O Tod! Du Allbezwinger!
Nun bist du bezwungen!  

Mit Flügeln,die ich mir errungen,
In heißem Liebesstreben
Werd' ich entschweben
Zum Licht,zu dem kein Aug' gedrungen!
Sterben werd' ich,um zu leben!  

Aufersteh'n,ja aufersteh'n wirst du,
Mein Herz,in einem Nu!
Was du geschlagen,
Zu Gott wird es dich tragen!

よみがえる、そうだ よみがえるのだ おまえは
わが塵よ、短い休息のそのあとに!
不滅の生命だ! 不滅の生命を
お前を呼び出されたお方が、お前に授けてくださるだろう! 

再び花開くため お前は蒔かれよう!
主は収穫の場へと赴かれ
種子を拾い集められるのだ
われら、死んだ者たちを! 

おお信じよ、わが心よ、おお信じるのだ
お前は何も失うものはない!
お前のものだ、お前の、そうだお前の、お前が憧れてきたものは!
お前のものだ、お前の愛したものは、お前が勝ち取ったものは!
おお信じよ、お前は無駄に生まれてきたのではない!
無駄に生きてきたのでも、苦しんできたのでもないのだ!

生まれ出でしもの、それは消え去らねばならぬ
消え去りしもの、それはよみがえる!
震えることなど止めるが良い!
準備するのだ、生きることを!

おお 痛みよ! すべてを貫き通すものよ!
お前より私は逃れ去ったのだ!
おお 死よ! すべてを支配するものよ!
今やお前は敗れ去ったのだ!

私が自ら勝ち取った翼で
熱き愛の胎動の中を
私は飛び立つのだ
目には見えない光を目指して!
私は死ぬのだ、生きるために!

よみがえる、そうだ よみがえるのだ おまえは
わが心よ、今すぐにでも!
お前が打ち倒してきたものが
神のもとへと お前を運んでゆく!


ブラスの荒々しい響きに導入されて、激しい音楽が始まる最終楽章、嵐に打ち勝つようにのちに入ってくる合唱のメロディが提示され、再び嵐を間に挟みながら行進曲調に形を変えて現れ、力強く盛り上がって行きます。
その後やってきた静けさの中、はるか彼方から聴こえてくる(舞台裏の)ブラスと、フルートが表すナイチンゲールの歌声を受けて、コーラスが静かに最初の2節を歌います。「おお信じよ」で始まる第3節をアルトのソロが歌いだし、その最後の2行をソプラノが受け継ぐと、男声合唱がその次の「生まれ出でし者」を力強く歌い、次の節を歌うソプラノとアルトのデュエットに引き継がれ、そして合唱の導入と共に復活のクライマックスを迎えます。

もともとの詩はクロプシュトック Friedrich Gottlieb Klopstock (1724-1803)という18世紀の詩人のもので、これも聖歌になっていたもののようです。マーラーはこれの特に後半に大きく手を入れて彼独自の思想を織りこみました。クロプシュトックの原詩も同じである第2節までの内容からこれはキリスト教の最後の審判で死者たちが甦ることを歌っていますが、クロプシュトックの敬虔な原詩に比べると、このあとのマーラーの書いた部分は熱い復活への思いが綴られています。ただひたすらに最後の審判を受け身で待つのではなく、たとえこの世では不運にみまわれようとも、斃されようとも、力の限りに戦い抜くこと、それこそが復活へと至るのだという能動的な思い、熱い音楽と共に大変に心に響きます。

ご参考までにクロプシュトックの原詩とその訳も載せましょう。比べてみてください。
最後の節にある仲保者というのはイエスのこと、神と人間との間をとりもつお方ということですね。


Auferstehn,ja,auferstehn wirst du,
Mein Staub,nach kurzer Ruh!
Unsterblichs Leben
Wird,der dich schuf,dir geben!
Halleluja!

Wieder aufzublühn werd ich gesät!
Der Herr der Erndte geht
Und sammelt Garben
Uns ein,uns ein,die starben!
Halleluja!

Tag des Danks! der Freudenthränen Tag!
Du meines Gottes Tag!
Wenn ich im Grabe
Genug geschlummert habe,
Erweckst du mich!

Wie den Träumenden wirds dann uns seyn!
Mit Jesu gehn wir ein
Zu seinen Freuden!
Der müden Pilger Leiden
Sind dann nicht mehr!

Ach ins Allerheiligste führt mich
Mein Mittler dann; lebt' ich
Im Heiligthume
Zu seines Namens Ruhme!
Halleluja!

よみがえる、そうだ よみがえるのだ おまえは
わが塵よ、短い休息のそのあとに!
不滅の生命を
お前を呼び出されたお方が、お前に授けてくださるだろう! 
ハレルヤ!

再び花開くため お前は蒔かれよう!
主は収穫の場へと赴かれ
種子を拾い集められるのだ
われら、われら、死んだ者たちを! 
ハレルヤ!

感謝の日!喜びの涙の日!
お前、わが神の日よ!
私は墓の中で
ぐっすりと眠っていたが
お前は私を目覚めさせるのだ!

夢想家たちのようにわれらはあるであろう!
イエスと共に、われらは入り行く
彼の喜びの中へ!
疲れた巡礼者の苦しみは
もはやないのだ!

ああ、聖なる場所へと、私を導き入れる
こうして私の仲保者は 私は住むのだ
聖なる場所に
彼の御名に栄光あれ!
ハレルヤ!

( 2011.03.28 藤井宏行 )


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