Die Forelle Op.32 D 550 |
ます |
In einem Bächlein helle, da schoß in froher Eil die launische Forelle vorüber wie ein Pfeil. Ich stand an dem Gestade und sah in süßer Ruh des muntern Fischleins Bade im klaren Bächlein zu, Ein Fischer mit der Rute wohl an dem Ufer stand, und sah's mit kaltem Blute, wie sich das Fischlein wand. So lang' dem Wasser Helle, so dacht ich,nicht gebricht, so fängt er die Forelle mit seiner Angel nicht, Doch endlich ward dem Diebe Die Zeit zu lang. Er macht. Das Bächlein tückisch trübe, Und eh ich es gedacht, So zuckte seine Rute, Das Fischlein zappelt dran, Und ich mit regem Blute Sah die Betrog'ne an. |
とある明るい小川 そこを元気一杯にすり抜けてゆくのは 気まぐれなマスだ それはそれはまるで矢のような速さで 私は岸辺に立って ゆったりとくつろぎながら眺めていた この陽気な魚が泳ぐのを 澄んだ小川の中を ひとりの釣り人が釣竿を手に あそこの水辺に立ち 冷酷な目つきで見ていた どう魚が泳いでいるかを ともあれ水の透明さが 私は思った、失われない限りは やつもマスを捕まえることはないだろう その釣竿で けれどとうとうこの盗人め 時間がかかり過ぎると思ったか、手を出した 小川を ずる賢くも濁らせたのだ それに私が気付く間もないうちに やつの竿はふるえて 魚は身をよじり 跳ね回っていた 私は 血を煮えたぎらせながら 騙されたこの魚を見つめていた |
小学校の音楽の教材となっていたこともあり(今はどうかは知りませんが)、クラシック音楽愛好家以外にも非常に良く知られたメロディとなっている感のある歌です。実は歌詞には最後にもう一節あって、娘たちが悪い男にひっかからないように戒めているのだそうですが、シューベルトはあっさりカットしてしまいました。それはこの抒情的なメロディを考えた時には正解だと思います。
( 2011.02.11 藤井宏行 )