Einsamkeit Op.90-5 Sechs Gedichte und Requiem |
孤独 6つの詩とレクイエム |
Wild verwachs’ne dunkle Fichten, Leise klagt die Quelle fort; Herz,das ist der rechte Ort Für dein schmerzliches Verzichten! Grauer Vogel in den Zweigen, Einsam deine Klage singt, Und auf deine Frage bringt Antwort nicht des Waldes Schweigen. Wenn’s auch immer Schweigen bliebe, Klage,klage fort; es weht, Der dich höret und versteht, Stille hier der Geist der Liebe. Nicht verloren hier im Moose, Herz,dein heimlich Weinen geht, Deine Liebe Gott versteht, Deine tiefe,hoffnungslose! |
野生の生い茂った暗いモミの木々 静かに嘆き続ける泉の水 心よ、これこそぴったりの場所だ お前の痛みを捨てるには 灰色の鳥が枝の上で ひとりぼっちでお前の嘆きを歌う そしてお前の問いかけには 森は黙って答えはしない もしもいつまでもじっと黙り続けていようとも 嘆け、嘆き続けよ;そうすれば お前のことを聞いて分かってくれるだろう 静かにここで愛の精が ここで苔の中に失われていくのではないのだ 心よ、お前のひそかな涙は お前の愛は 神様がご存じだ お前の深く 望みなき愛は |
第5曲目は憂愁に満ちた、いかにもレーナウの詩です。後期のシューマンの作品に見られる同じような憂愁の表情が良くはまって魅力的な歌曲となりました。もっともまだ最後の希望は捨てていませんから救いのない暗さにはなりません。森の中でただひとり寂しさを噛みしめる姿が見事に描写されています。
( 2011.02.13 藤井宏行 )