Aus den östlichen Rosen Op.25-25 Myrten |
東方のバラより ミルテの花 |
Ich sende einen Gruß wie Duft der Rosen, Ich send' ihn an ein Rosenangesicht. Ich sende einen Gruß wie Frühlingskosen, Ich send' ihn an ein Aug voll Frühlingslicht. Aus Schmerzensstürmen,die mein Herz durchtosen, Send' ich den Hauch,dich unsanft rühr' er nicht! Wenn du gedenkest an den Freudelosen, So wird der Himmel meiner Nächte licht. |
私は挨拶を送る バラの香りのような挨拶を 私はそれを送るのだ バラのようなその姿の人に 私は挨拶を送る 春の愛撫のような挨拶を 私はそれを送るのだ 春の光に満ちた瞳に 私の心の中を吹き荒れる苦痛の嵐から 私は吐息を送ろう お前に激しく吹きつけぬように もしもお前がこの喜びをなくした者のことを思ってくれるなら 私の夜の闇の空も明るくなるのだろう |
リュッケルトの原詩のタイトルはEin Gruß an die Entfernte(遠方からの挨拶)ですが、シューマンは表記のようなタイトルにしました。ゲーテの西東詩集より取った詩や、バーンズの詩によるスコットランドの情景(これはオリエントではありませんが)といった具合に、この異国情緒をふんだんに織り込んだ歌曲集においてはこのタイトルの方が良いのでしょう。静かに淡々と恋する人への挨拶を送る、ちょっと目立ちませんがいい曲です。
( 2011.02.06 藤井宏行 )