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Sérénade   Op.7  
 
セレナード  
    

詩: アドニス (Eugène Adénis-Colombeau,1854-1923) フランス
      

曲: ピエルネ (Gabriel Pierné,1863-1937) フランス   歌詞言語: フランス語


Au sein des nuits tout dort,
L'étoile brille encor,
Le vent se tait là-bas,
Dans les lilas.
Sous le feuillage ami,
L'oiseau s'est endormi.
Viens,les bois charmés
Sont embaumés;

Au sein des nuits tout dort.
Oui,l'étoile brille encor,
Viens,ô mon amour,
je t'appartiens,
Sois toute à moi!
Laissons errer nos âmes
Sur les parfums et les chansons.
Aimons-nous,aimons,rêvons.

Mais hélas! est-ce en vain que ma voix
Fait gemir l'écho de ces bois?
Viens,l'air est si doux autour de nous,
Ah! viens! Ah! viens!

Au sein des nuits tout dort,
L'étoile brille encor,
Le vent se tait là-bas,
Dans les lilas.
Sous le feuillage ami,
L'oiseau s'est endormi.
Viens,les bois charmés
Sont embaumés;

Au sein des nuits tout dort.
Oui,l'étoile brille encor,
Viens,ô mon amour,
je t'appartiens,
Sois toute à moi!
Le temps où nous aimâmes
S'envole et nous passons.
Aimons! Aimons!

深い闇の中、すべてのものは眠りにつき
星は静かに瞬いている
風も静まって
リラの枝の中へと消えていく
心地よい葉の蔭で
小鳥たちも夢を見ている
おいで、この素敵な森は
かくわしい香りで満ちている

深い闇の中、すべてのものは眠りにつき
星は静かに瞬いている
おいで、恋人よ
僕は君のもの
だから僕を愛して
この香しさと歌声の中に
ぼくら2人の心を自由に解き放とう
愛し合おう、愛し合おう、夢みよう

ああ、でもなんてこと、僕の声はむなしく
この森の中をこだまするのか?
おいで、森の空気はやさしく僕らを包んでくれる
ああ、おいで、ああ、おいで

深い闇の中、すべてのものは眠りにつき
星は静かに瞬いている
風も静まって
リラの枝の中へと消えていく
心地よい葉の蔭で
小鳥たちも夢を見ている
おいで、この素敵な森は
かくわしい香りで満ちている

深い闇の中、すべてのものは眠りにつき
星は静かに瞬いている
おいで、恋人よ
僕は君のもの
なってくれ すべて僕のものに!
だから僕を愛して
恋人たちの時間は始まったばかりだ
愛し合おう、愛し合おう

南欧の軽やかな風が薫るような素敵なセレナードです。
作曲者のピエルネはドビュッシーと同世代の人で、有名な作品としてはバレエ音楽「シダリーズと牧羊神」などがありますが、むしろ指揮者としての方が存命中は有名だったかもしれません。
師匠のマスネ譲りの俗っぽくはあるが美しいメロディと、印象派を思わせる不思議なハーモニーが微妙に調和して、何とも言えない味わいの作品が多いのですが、この「セレナーデ」は通俗性の方が前面に出て、まるでポピュラーソングを聴いているかのようです。
録音は私の知る限り、フィッシャーディースカウの歌った「ベルエポックのメロディー」(Teldec)しかないと思いますが、まるでドンジョバンニ(ドンファン)が鼻歌を歌って町を歩いているような味わいで大変良いです。

( 2003.11.10 藤井宏行 )


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