ばらの木 |
|
薔薇の木に 薔薇の花さく なにごとの不思議なけれど |
|
初めてこの曲を聴いた時には「なんじゃこりゃ?」と思いました。
前奏もなくいきなりモーツアルトばりのシンプルな旋律で「ばらの木に」と歌い出し、「花さく」のあとのピアノ間奏がチョロンと終わると、まるで浪曲のように「なにごとの不思議なけれど」と重い声で歌われ、そして再び「ばらの木に」と冒頭のモーツアルト風が戻ってきてアッという間に終わってしまいます。
一度聴いただけで忘れられないメロディが耳にこびりつき、なんとも言えない味わいを残してくれる不思議な曲です。
ギャグのようでもありますが、同時に意味深長な(大体詩がこの上もなく哲学的なのですから)ところもある音楽的俳句とでも名付けたくなる歌です。
米良美一氏のカウンターテナーで聴くと、本当に意味深長な音楽に聞こえてきませんか(King)
( 2000.01.09 藤井宏行 )