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Wiegenlied im Winter    
  Sechs Lieder für eine Frauenstimme
冬の子守歌  
     女声のための6つの歌

詩: ライニック (Robert Reinick,1805-1852) ドイツ
    Vier Wiegenlieder  Im Winter

曲: ヴォルフ (Hugo Wolf,1860-1903) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Schlaf' ein,mein süßes Kind,
Da draußen geht der Wind.
Er pocht an's Fenster und schaut hinein,
Und hört er wo ein Kindlein schrei'n,
Da schilt und summt und brummt er sehr,
Holt gleich sein Bett voll Schnee daher,
Und deckt es auf die Wiegen,
Wenn's Kind nicht still will liegen.

Schlaf' ein,mein süßes Kind,
Da draußen geht der Wind,
Er rüttelt an dem Tannenbaum,
Da fliegt heraus ein schöner Traum,
Der fliegt durch Schnee und Nacht und Wind
Geschwind,geschwind zum lieben Kind,
Und singt von Licht und Kränzen,
Die bald am Christbaum glänzen.

Schlaf' ein,mein süßes Kind,
Da draußen bläst der Wind.
Doch ruft die Sonne: “Grüß euch Gott!”
Bläst er dem Kind die Backen rot,
Und sagt der Frühling: “Guten Tag!”
Bläst er die ganze Erde wach,
Und was er still gelegen,
Springt lustig allerwegen.

Jetzt schlaf',mein süßes Kind,
Da draußen bläst der Wind!

おやすみなさい、わたしのかわいい子
外は風が吹いて
窓を叩いたり 中を覗き込んだりしているけれど
もしも子供の泣き声を聞いたなら
怒ったみたいにうなったりうめいたりして
その子のベッドにしてしまおうと雪をいっぱい運んできて
ゆりかごの上に積もらせていくのよ
もしもその子が寝ないでいると

おやすみなさい、わたしのかわいい子
外は風が吹いて
モミの木を揺らしている
すると素敵な夢が飛び出してきて
雪や夜や風を抜けて飛んでくるの
急いで、急いで可愛い子のところへと
そして光や花輪のことを歌うの
あっというまにクリスマスツリーの輝きとなって

おやすみなさい、わたしのかわいい子
外は風が吹いている
太陽が「やあこんにちは」と呼びかけるとき
風は子供の頬を真っ赤にするほど吹くけれど
春が「こんにちは」と言うときには
風は地上すべてを目覚めさせるように吹くの
そしたらまだ横になっているものは皆
喜んで飛び起きるのよ

今はおやすみなさい、わたしのかわいい子
外は風が吹いている

ライニックの春夏秋冬それぞれの子守歌の詩から、ヴォルフは夏と冬に曲をつけました。この冬の方の曲は夏の曲ほどポピュラーではありませんが、こちらも若く繊細なヴォルフの資質が良く出た、とても美しい子守歌だと思います。窓の外では吹き荒れる冬の風。でもクリスマスの楽しい夢も運んできてくれる。そしてもうすぐ春も呼んできてくれる...
つらく悲しいばかりでない冬の夜を静かに過ごすのには実に素敵な歌ではないでしょうか。

( 2010.12.24 藤井宏行 )


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