Der Soldat Op.40-3 Fünf Lieder |
兵士 5つの歌曲 |
Es geht bei gedämpfter Trommel Klang Wie weit noch die Stätte! der Weg wie lang! O wär er zur Ruh und alles vorbei! Ich glaub',es bricht mir das Herz entzwei! Ich hab' in der Welt nur ihn geliebt, Nur ihn,dem jetzt man den Tod doch gibt! Bei klingendem Spiele wird paradiert; Dazu bin auch ich kommandiert. Nun schaut er auf zum letzten Mal In Gottes Sonne freudigen Strahl; Nun binden sie ihm die Augen zu ? ? Dir schenke Gott die ewige Ruh'! Es haben die Neun wohl angelegt, Acht Kugeln haben vorbei gefegt; Sie zitterten Alle vor Jammer und Schmerz ? Ich aber,ich traf ihn mitten in das Herz. |
鈍いドラムの響きに乗せて進んでゆく あの場所は何と遠いのだ!道のりは何と長いのか! おお あいつが安らぐときに すべては終わるのだ! 俺は感じてる 心臓が真っ二つに張り裂けそうだと! 俺はこの世であいつだけが好きだった だが あいつだけに今から死が下されるのだ ざわめく喧騒の中 パレードは進み そこには俺も参加させられている 今 あいつは見上げる 最後の 神の喜びに満ちた太陽の 光を、そして両目に目隠しがあてられる -お前に神の永遠なる安息あれ! 九人がそこに集められた 八発の弾丸は逸れた 彼らは皆 悲しみと痛みで震えていたからだ -だが俺は、俺はあいつの心臓のど真ん中を撃ち抜いてた |
激しいピアノの一撃とともに重苦しい行進曲が始まります。親友を処刑するための列に自分も参加しているという悪夢のような状況。実際にこれは悪夢なのでしょう。なのにいやに生々しい情景描写。太陽を見上げてから目隠しをしたくだりなどは映画のシーンをみるようです。最後は自分の手で心臓を打ち抜いてしまった絶叫とともに、曲は終止形を取ることなく消えてゆきます。
アンデルセンの詩をシャミッソーがドイツ語に訳したものにつけた作品40の3曲目。シューマンが書いた歌曲の中でも指折りのドラマチックで重たい作品ではないでしょうか。
アンデルセンの書いたデンマーク語の原詩には、まだ若かりし頃のグリーグが曲をつけています。
( 2010.12.18 藤井宏行 )