落葉 |
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秋の日の ヰ゛オロンの ためいきの ひたぶるに 身にしみて うら悲し 鐘のおとに 胸ふたぎ 色かへて 涙ぐむ 過ぎし日の おもひでや げにわれは うらぶれて ここかしこ さだめなく とび散らふ 落葉かな |
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フランス語の原詩は以前レイナルド・アーンがメロディを付けたもの 秋の歌 (レイナルド・アーン)を取り上げたことがあり、そこでこの上田敏による有名な翻訳についても言及しましたが、この見事な5・5・5調の詩のリズムに音楽を付けたのは橋本国彦。「班猫」で聴かせてくれたような、ドビュッシーばりの精妙で美しいピアノ伴奏の上で語るような、訴えかけるような歌を書きました。
中間部の「おもいでや」のところで濃密な音楽は一旦激しい盛り上がりと共に終わり、最後は寂しく曲を閉じます。
( 2010.11.20 藤井宏行 )