かわいいかくれんぼ |
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詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
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日本歌曲・童謡作曲の大家、中田喜直氏が先日76歳の生涯を閉じられました。謹んでご冥福をお祈りすると共に、氏の代表作のひとつをここでご紹介しようと思います。
ということになれば、やはりサトウハチロー氏とコンビを組んで、「小さい秋みつけた」「夕方のおかあさん」「さわると秋がさびしがる」「とんとんともだち」「わらいかわせみに話すなよ」と数々の名作を生んだ童謡の分野から1曲取り上げない訳には行かないでしょう。このコンビで私が一番愛着があるのがこの曲、「かわいいかくれんぼ」です。ひよこやすずめや小犬がひょこひょこ遊ぶ姿をやさしく描写し、最後はわらべ歌「だんだん誰かめっかった」で締める音楽は、作曲されて40年以上経った今でも、きっと子供たちに歌い継がれていることと思います。
半年位前の新聞記事で読んだのですが、豪放磊落なサトウ氏と繊細で真面目な中田さんとは大変気が合ったコンビだったのだそうです。そういえば昨年の7月、岡山で中田喜直さんの作品を集めたコンサートがあって、わざわざ来て頂いて作品への思い入れについてお話下さったのがとても印象に残っています。
田舎の小学校の優しい校長先生みたいなお人柄が偲ばれます。
この「かわいいかくれんぼ」、NHKおかあさんといっしょの40周年記念CD(コロムビア)で、初代歌のお姉さん中野慶子さんの歌った、作曲者自らの編曲による歴史的録音が印象的です。
このCD、10枚組で40年前から昨年までの、おかあさんといっしょで紹介された童謡300曲を紹介するという凄いものですが、残念ながら中田さんの曲はこれ一曲のみです。
これは決して中田さんの童謡がおかあさんといっしょで冷遇されていた訳ではなくて、ただ単にライセンスの問題のようです。
氏の曲の音源をたくさん持っているキングレコードが確か先月か今月たくさん中田喜直歌曲集をリリースしたと思うのですが、奇しくも追悼盤となってしまいました。
( 2000.05.20 藤井宏行 )