Niemand Op.25-22 Myrten |
誰にも ミルテの花 |
Ich hab’ mein Weib allein, Und teil’ es,traun,mit Niemand; Nicht Hahnrei will ich sein, Zum Hahnrei mach’ ich Niemand. Ein Säckchen Gold ist mein, Doch dafür dank’ ich Niemand; Nichts hab’ ich zu verleihn, Und borgen soll mir Niemand. Ich bin nicht andrer Herr, Und untertänig Niemand; Doch meine Klinge sticht, Ich fürchte mich vor Niemand. Ein lust’ger Kauz bin ich, Kopfhängerisch mit Niemand; Schiert niemand sich um mich, So scher’ ich mich um Niemand. |
俺にはたった一人の妻がいる 誓って言うが、誰にも渡さねえ 俺は寝取られ男にゃなりたくねえし 誰にも寝取りなんぞさせやしねえ 俺には一袋の金があるが だけどそのことで誰にも感謝するいわれはねえ 何にも貸す気はねえし 誰にも借りさせやしねえ 俺は他のやつの主人じゃねえし 誰の子分でもねえけど 俺の刀は鋭くて 俺は誰も恐れちゃいねえ 俺は陽気な男だから 誰とも一緒に落ち込んだりなんかしねえ 誰も俺のことを気にやしねえし こっちも誰んことも気にしねえんだ |
行進曲風のメロディに乗せてこれもまた何とも不思議な歌詞がつづられていきます。これもまた花嫁に捧げる歌としては不可解な感もありますが、シューマンは自信を持って曲をつけたよう。歌曲集の中でもかなり印象に残る曲となりました。これはもちろん男声で歌われますので、そんな感じで訳してみました。
( 2010.10.30 藤井宏行 )