Geübtes Herz Op.3-5 6 Lieder |
熟達したこの心 六つの歌 |
Weise nicht von dir mein schlichtes Herz, weil es schon so viel geliebet! Einer Geige gleicht es,die geübet lang ein Meister unter Lust und Schmerz. Und je länger er darauf gespielt, stieg ihr Wert zum höchsten Preise; denn sie tönt mit sichrer Kraft die Weise, die ein Kund'ger ihren Saiten stiehlt. Also spielte manche Meisterin in mein Herz die rechte Seele. Nun ist's wert,daß man es dir empfehle, lasse nicht den köstlichen Gewinn! |
避けたりしないでください 私の純朴な心を、 何故ってこの心はとってもたくさん恋をしてきたのですから 一挺のヴァイオリンと同じです、弾かれ続けてきた ずっと長いことひとりのマイスターによって 嬉しいときも悲しい時も そしてマイスターに長く弾かれれば弾かれるほど、 楽器の値打ちは最高に上がって行くのです 何故ってそれはしっかりした音がするのですから、 熟達したひとが弦から響きを取り出すごとに そしてそんな風に たくさんの女性演奏家たちが弾いてきたのです 私の心の中で この正しき魂を さあ これはそれだけ価値のあるものなのです、あなたにおすすめの この素敵な賞品を放って置いたりなどしないでください |
ゴットフリート・ケラーがこんなキザな愛の詩を書いていたというのも全く意外なことではありますが、よりによってシェーンベルクがこんな詩にとろけるような甘美なメロディーをつけていたというのがもっと意外なことではあります。リヒャルト・シュトラウスに良くある、トロトロに甘美な歌曲をさらにメロメロにしたような耳に優しい(というか世紀末の耽美といいますか)作品はしかしなかなかに魅力的です。
( 2010.10.17 藤井宏行 )