Heiß mich nicht reden Op.98-5 Lieder Und Gesänge Aus Wilhelm Meister |
私に語れとなど命じないで ヴィルヘルム・マイスターよりの歌曲と歌 |
Heiß mich nicht reden,heiß mich schweigen, Denn mein Geheimnis ist mir Pflicht; Ich möchte dir mein ganzes Innre zeigen, Allein das Schicksal will es nicht. Zur rechten Zeit vertreibt der Sonne Lauf Die finstre Nacht,und sie muß sich erhellen; Der harte Fels schließt seinen Busen auf, Mißgönnt der Erde nicht die tiefverborgnen Quellen. Ein jeder sucht im Arm des Freundes Ruh', Dort kann die Brust in Klagen sich ergießen; Allein ein Schwur drückt mir die Lippen zu, Und nur ein Gott vermag sie aufzuschließen. |
私に語れとなど命じないで、黙っていろと言ってください 秘密を守ることが私の務めなのですから 私はあなたにこの心の内をみなお見せしたいのですけれど 運命がそれを許してはくれないのです 時が来れば 太陽の歩みが追い払うのでしょう この暗い夜を、そして夜明けとなるのです 頑丈な岩もその胸を開いて 大地に出し惜しみなど致しません その深くに隠された泉の水を 誰でも皆 友の腕の中に安らぎを求めます そこでは悲しみにくれた胸が 自らを溢れさせられるのですから ただたったひとつの誓いが私の唇を閉ざし そして神様だけがそれを開くことができるのです |
この曲は激しい心の動揺を描き出しているようです。詩を読んでいただければお分かりのように、少女にしてはかなり決然とした強い意志を歌っているようですから、シューマンのように解釈するのも決して不自然ではないのですが、聴いていて少々不思議な感じがするのも事実です。前の竪琴弾きの歌同様、まだ世の中の不条理に抗議する気力が残っているかのよう。それだけに最後の曲とのギャップがこのミニヨンの歌も、そして竪琴弾きの歌も心に染みいるのですね。第5巻第16章の詩です。
( 2010.10.02 藤井宏行 )