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Három őszi könnycsepp   Op.16-1 BB72  
  Öt dal
三粒の秋の涙  
     5つの歌

詩: アディ (Ady Endre,1877-1941) ハンガリー
    Vér és arany(血と金 1907) - A Halál Rokona(死の縁者)  Három őszi könnycsepp

曲: バルトーク (Bartók Béla Viktor János,1881-1945) ハンガリー   歌詞言語: ハンガリー語


Őszi délben,őszi délben
Óh be nehéz
Kacagni a leányokra.

Őszi éjben,őszi éjben
Óh be nehéz
Fölnézni a csillagokra.

Őszi éjben,őszi délben
Óh be könynyű
Sírva,sirva leborulni.

秋の昼間に、秋の昼間に
おお、なんと難しいことか
娘たちに笑いかけるのは

秋の夜に、秋の夜に
おお、なんと難しいことか
星たちを見上げるのは

秋の夜に、秋の昼間に
おお、なんと易しいことか
泣きながら、泣きながらうつむくのは


バルトークは祖国ハンガリーの民謡を調査していたということもあって、採譜した民謡の編曲作品はかなりの数がありますが、ピアノ伴奏によるオリジナルの歌曲というのは意外に少なく、この作品番号16の5つの歌曲と、一つ前の作品番号15の5つの歌曲、合計10曲に留まります。
この作品16、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したハンガリーの詩人アディ・エンドレ Ady Endre (1877-1919)の詩にメロディをつけています。詩人はボードレールに影響を受けた(この時代の詩人の多くは生まれた国を問わず影響を受けていた人が多いようですが)象徴派の詩人で、日本でも詩集がいくつか邦訳されています。
この歌曲集の5曲のうち、第3曲を除く残りの4曲はすべて1907年に出版された詩集「血と金 Vér és arany」より。難解な詩が多いのですが、第1曲目のこの詩は比較的明快な内容でしたので何とか意味は取れました。2節目の「星たちを見上げる」とあるのは第2曲でコメント頂きましたように「幸せを探す」といったニュアンスでしょうか。
1曲目はひたすらひそやかに噛みしめるように歌われます。

( 2010.09.23 藤井宏行 )


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