TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Der Tambourgesell    
  Des Knaben Wunderhorn
少年鼓手  
     子供の不思議な角笛

詩: 少年の不思議な角笛 (Des Knaben Wunderhorn,-) ドイツ
    Des Knaben Wunderhorn,Band 1 38 Tambursgesell

曲: マーラー,グスタフ (Gustav Mahler,1860-1911) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Ich armer Tambourg’sell,
Man führt mich aus dem G’wölb,
Man führt mich aus dem G’wölb!
Wär’ ich ein Tambour blieben,
dürft’ ich nicht gefangen liegen!

O Galgen,du hohes Haus,
du siehst so furchtbar aus!
Ich schau’ dich nicht mehr an!
Ich schau’ dich nicht mehr an,
weil i weiß,das i g’hör’ d’ran,
weil i weiß,das i g’hör’ d’ran!

Wenn Soldaten vorbeimarschier’n,
bei mir nicht einquartier’n,
wenn sie fragen,wer i g'wesen bin:
Tambour von der Leibkompanie,
Tambour von der Leibkompanie!

Gute Nacht,ihr Marmelstein’,
ihr Berg’ und Hügelein!
Gute Nacht,ihr Offizier’,
Korporal’ und Musketier’!
Gute Nacht! Gute Nacht! Ihr Offizier’,
Korporal’ und Musketier’!

Ich schrei’ mit heller Stimm’,
von euch ich Urlaub nimm!
Von euch ich Urlaub nimm!
Gute Nacht! Gute Nacht!

ぼくは哀れな少年鼓手
みんなはぼくを地下営倉から引きずり出した
みんなはぼくを地下営倉から引きずり出した!
あのまま鼓手でいたならば
こうして囚われることもなかったろうに!

おお絞首台、そびえ立つ建物よ
お前は何て恐ろしげなんだ!
ぼくはもうお前を二度と見ることはないだろう!
ぼくはもうお前を二度と見ることはないだろう
だってぼくは知ってるから、あそこに吊るされるのはぼくなのだと
だってぼくは知ってるから、あそこに吊るされるのはぼくなのだと!

もしも兵士たちが行進しながら通り過ぎてくとき
ぼくの脇を 宿営もせずに
そして彼らが尋ねたときには、ぼくが何者だったのかと
第一中隊の鼓手だと答えてくれ
第一中隊の鼓手だと答えてくれ

お休みなさい 大理石の岩
お前たち山よ そして丘よ!
お休みなさい 士官殿
下士官殿 擲弾兵たち!
お休みなさい お休みなさい 士官殿
下士官殿 擲弾兵たち!

ぼくは大きな声で叫びましょう
皆様方よりおいとまを頂きます!
皆様方よりおいとまを頂きます!
おやすみなさい!おやすみなさい!


理由は分かりませんが(恐らく若き日の歌にあった「シュトラスブルクの砦の上」と同じように脱走を図り捕らえられたということだと思います)、もうすぐ絞首刑となる運命の少年鼓手のつぶやき。何となくユーモラスな感じのする葬送行進曲のような音楽ですが歌詞の内容は悲壮です。軍紀を守るためには仕方のないこととは言いながら、戦争というものの峻厳さを垣間見せて慄然とするばかり。

なお、この作品に関しては原詩とはタイトルも含めほとんど変更はないようです。

(2010.08.15)

( 2010.08.15 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ