Chevere Cinco canciones negras |
頬に傷ある男 5つの黒人の歌 |
詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください
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かみそりを持った頬に傷ある男 いつしか自分がかみそりになって 月や闇や歌をそれで切り裂くが それらはあっさり消えてしまう そこで男は代わりに切り裂く あくどい情婦の体を (歌詞は大意です) |
キューバに暮らす黒人の生活を舞台に「ピアノの中のキューバ」「ハバナの
リズム」「頬に傷ある男」「黒人の児の子守歌」「黒人の歌」の5つの詩を
スペインの作曲家モンサルバージェがとても見事なラテンアメリカの歌に
仕上げました。ポピュラーソングのようなわかりやすさ・美しく忘れがたい
メロディーの中にも、伴奏にかなり凝った技巧を散りばめて、結構聴き応えの
ある作品です。中でもこの3曲目、力強い前奏のあとで、ロドリーゴの
アランフェス協奏曲、第2楽章のあの美しいオーボエの旋律を思わせる哀感
あふれるメロディーはこの作品の中でもピカ一ではないかと思います。
詩はキューバの大詩人の手になるものなのだそうですが、詳しいことは
わかりません。
これもロス・アンヘレスが実に素晴らしい歌を録音してくれています。ラテン
系の歌曲はなかなか複数の選択肢がないのですが、これくらい見事な歌が
聴ければ文句はありません。
( 1999.07.11 藤井宏行 )