Mariä Wiegenlied Op.76-52 Schlichte Weisen |
マリアの子守歌 素朴な調べ |
Maria sitzt im Rosenhag Und wiegt ihr Jesuskind, Durch die Blätter leise Weht der warme Sommerwind. Zu ihren Füßen singt Ein buntes Vögelein: Schlaf,Kindlein,süße, Schlaf nun ein! Hold ist dein Lächeln, Holder deines Schlummers Lust, Leg dein müdes Köpfchen Fest an deiner Mutter Brust! Schlaf,Kindlein,süße, Schlaf nun ein! |
マリア様はバラの茂みの中にお座りになって 御子イエスをあやしておられます 木の葉の間を穏やかに抜けて 暖かな夏の風が吹いていきます 彼女の足元では歌っています 一羽のきれいな小鳥が おやすみなさい、御子よ、愛しきお方 おやすみなさい! 麗しきは御身のほほえみ 麗しきは御身が幸せな眠り 疲れたその小さな頭を預けなさい しっかりと御身が母の胸に おやすみなさい、御子よ、愛しきお方 おやすみなさい! |
器楽・管弦楽作品の方がよく知られている近代ドイツの作曲家マックス・レーガーの恐らく最もよく知られた歌曲作品です。タイトルのイメージからかよくクリスマスのアルバムに収録されていたりしますが、歌詞を見てみるとバラが咲いている初夏の情景ですね。穏やかな雰囲気をたたえた美しい曲です。
もっともこの曲に流れる美しいメロディ、多少はアレンジされているものの実は古くからある民謡なのだそうで、同じ旋律はブラームスのOp.91の2曲目「聖なる子守歌」の伴奏でも使われているのを聴くことができます。原詞を見つけましたので こちら に訳しておきました。
歌詞はただオリジナルなようで、マルティン・ベーリッツ(Martin Boelitz 1874-1918)という人の名前がクレジットされています。
レーガーの作品はSchlichte Weisen(簡明な旋律集)という全部で60曲からなる作品の中の52番目として書かれています。その他の作品はほとんど取り上げられることもないようですが。
( 2010.04.18 藤井宏行 )