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Das Waldschloß   WoO 17  
  2 Lieder
森の城  
     2つの歌曲

詩: アイヒェンドルフ (Josef Karl Benedikt von Eichendorff,1788-1857) ドイツ
    Gedichte - 7. Romanzen  Das Waldschloß

曲: メンデルスゾーン (Jakob Ludwig Felix Mendelssohn,1809-1847) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Wo noch kein Wandrer gegangen,
Hoch über Jäger und Roß
Die Felsen im Abendrot hangen
Als wie ein Wolkenschloß.

Dort zwischen den Zinnen und Spitzen
Von wilden Nelken umblüht
Die schönen Waldfrauen sitzen
Und singen im Wind ihr Lied.

Der Jäger schaut nach dem Schlosse;
“Die droben,das ist mein Lieb”.
Er sprang von dem scheuenden Rosse-
Weiß keiner,wo er blieb.

そこはいまだ旅人が誰も通ったことのないところ
狩人と馬の上高く
岩山は夕映えの中にそびえ立つ
まるで雲の城のように

あそこの城壁と尖塔の間に
野生のカーネーションが咲き誇る中
美しい森の娘たちが座って
風の中で歌を歌っている

狩人は城の方を見つめる
「あの上だ、あそこに俺の恋人が!」
彼はおびえる馬から飛び降りる
誰も知らない、彼が今どこにいるのかを


いかにもアイヒェンドルフといった感じのロマンティックな情景描写。海のシレーヌやライン川のローレライのように、山を行く旅人や狩人を惑わし破滅させる森の魔女たちの幻想譚でしょうね。メンデルスゾーンのつけた音楽もまたいかにもといったドイツの森を思わせる壮大なもの。作品番号のない歌曲ですが同じ詩人の詩につけた「小姓の歌」とならんで良く取り上げられます。

( 2009.11.03 藤井宏行 )


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