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Min tankes tanke    
 
ボクの頭の中は  
    

詩: アンデルセン (Hans Christian Andersen,1805-1875) デンマーク
      Min Tankes Tanke (1833)

曲: ランゲ-ミュラー (Peter Erasmus Lange-Muller,1850-1926) デンマーク   歌詞言語: デンマーク語


Min Tankes Tanke ene du er vorden,
Du er mit Hjertes første Kærlighed.
Jeg elsker Dig,som Ingen her på Jorden,
Jeg elsker Dig i Tid og Evighed!

ボクの頭の中はキミのことで一杯だ
キミはボクの心の初めての恋人なんだから
愛してる、この世界の誰よりも
愛してる 今この時も そして永遠に!

この詩はノルウェーのグリークが曲を付けたものが大変有名ですが、アンデルセンの本場、デンマークの作曲家ランゲ-ミュラーも印象的な曲を残しています。彼は北欧のシューマンとでもいうべき雰囲気の歌曲をたくさん残していて、グリークやペッタション-ベリエル共々、北欧の素敵な歌曲として多くの方に聴いて頂ければ良いのになと思うのですが、デンマーク以外でCDが録音されることが皆無といって良い状況か、聴ける機会がここで挙げた他の2人の作曲家と違ってなかなか少ないのが残念です。
この曲は、シューマンの「詩人の恋」の第1曲のように、技巧的な和音進行と絡みあいながら情熱的な愛のメロディーを歌います。
グリークの曲が楷書体の、「他のクラスメートにもこれみよがしに聞かせるような愛の告白宣言」といった趣とすれば、このランゲ-ミュラーのは、夜中に悶々とラブレターを一人で書いて盛り上がっているといった感じの曲です。
デンマークのDanacordというレーベルに、北欧のロマンティック歌曲(Nordic Romantic Songs)というCDがあって、この両者を聴き比べることができます。ここで歌っているSeverinは端正な歌い方をするテノールなので、この手のロマンティック歌曲には打ってつけと言えましょう。他にもヘイゼ、ニールセン、ペッタション-ベリエル、シベリウスの曲が入っていて北欧の歌曲の一面を知るのにはなかなか良いアルバムです。
また同じDanacordレーベルにはランゲ-ミュラー歌曲集があってこちらではMoellerのメゾで歌われています。
もっとも、このL-M作「君を愛す」に関してはもっと羽目を外した耽美的アプローチ(又は情念の爆発の表現)もありうると思います。
ニコライ・ゲッダのライブか何かでこの曲があれば素晴らしいのではないかと思うのですが、残念ながらグリークのはあるのですけれどランゲ-ミュラー版はまだ発見に至っておりません。

( 2001.02.20 藤井宏行 )


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