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Die zu späte Ankunft der Mutter   XXVIa no.12  
  12 Lieder für das Clavier
母親の遅すぎた到着  
     12のクラヴィア伴奏歌曲第1集

詩: ヴァイセ (Christian Felix Weisse,1726-1804) ドイツ
      Beschattet von blühenden Ästen

曲: ハイドン (Joseph Haydn,1732-1809) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


Beschattet von blühenden Ästen,
Gekühlet von spielenden Westen,
Lag Rosilis am Bache hier
Und Hylas neben ihr.

Sie sangen sich scherzende Lieder,.
Sie warf ihn mit Blumen,er wieder;.
Sie neckte ihn,er neckte sie.
Wer weiß wie lang' und wie.

Von Lenz und Liebe gerühret,
Ward Hylas zum Küssen verführet.
Er küßte sie,er drückte sie,
Daß sie um Hilfe schrie.

Die Mutter kam eilend und fragte,
Was Hylas für Frevel hier wagte?
Die Tochter rief: es ist geschehn,
Ihr könnt nun wieder gehn.

花咲く枝の陰で
たわむれる西風に涼みながら
ロージリスは小川の横に寝そべっていた
そしてそのそばにはヒューラス

ふたりはふざけた歌を歌いあい
彼女は彼に花を投げつけた、彼もお返しだ
彼女は彼をからかい、彼は彼女をからかった
どれだけ長く、どんなだったかは誰も知らないが

春と愛とに心動かされ
ヒューリスはキスしたくてたまらなくなった
彼は彼女にキスをし、抱きしめた
それで彼女は大声で助けを呼んだのさ

母親が大急ぎでやってきて尋ねた
ヒューラスがどんな悪いことをしたのかと
娘は叫んだ「もう済んだことよ
お母さんはもう戻っていいわ」


この歌曲集で4曲目に引き続きヴァイゼの詩。同様にシニカルでユーモラスな詩人の目は冴えています。ゲーテやシラーに比較するのは無茶にしても、「ハイドンやモーツァルトがお粗末な詩人の詩しでしか歌曲を書かなかったのは残念だ」といった時折目にする物言いはこういう生き生きとした歌を聴くと私にはとてもできません。モーツァルトが好んで曲をつけ、そしてこのハイドンや更にはベートーヴェンにも付曲のあるこのヴァイゼという詩人、そんな言われようをするほど劣った詩人とは私には思えないのです。
ぜひじっくりと味わって頂きたいものです。

( 2009.11.15 藤井宏行 )


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