Eine sehr gewöhnliche Geschichte XXVIa no. 4 12 Lieder für das Clavier |
とあるとてもよくありがちな出来事 12のクラヴィア伴奏歌曲第1集 |
Philint stand jüngst vor Babetts Tür Und klopft' und rief: “Ist niemand hier? Ich bin Philint! Laßt mich hinein!” Sie kam und sprach: “Nein,nein!” Er seufzt' und bat recht jämmerlich. “Nein”,sagte sie,“ich fürchte dich; Es ist schon Nacht,ich bin allein: Philint,es kann nicht sein!” Bekümmert will er wieder gehn, Da hört er schnell den Schlüssel drehn; Er hört: “Auf einen Augenblick! Doch geh auch gleich zurück!” Die Nachbarn plagt die Neugier sehr: Sie warteten der Wiederkehr; Er kam auch,doch erst morgens früh. Ei,ei! Wie lachten sie! |
最近フィリントがバベットのドアの前に立って ノックして叫んだ:「誰かいないのか? 俺だ フィリントだ! 中に入れてくれ!」 彼女がやってきて言った「ダメよ ダメ!」 彼は溜息をつき、本当に悲しそうに頼んだ 「ダメよ」と彼女は言った、「あたしあなたが怖いの もう夜だし、あたしはひとりだし: フィリント、入れてあげるのは無理なのよ!」 がっかりして彼は帰ろうとした そこに急に聞こえたのは鍵の回る音 彼は聞いた:「ほんのちょっとよ! でもすぐに帰ってよ!」 ご近所さんは好奇心で眠れない 彼の出てくるのを待ち続けた 彼はもちろん出てきたが、それは翌朝早くのことだった おや おや! みんな何と笑ったことか! |
皮肉っぽいさめた人間観察でユーモラスな詩を書いたクリスチャン・ヴァイセはモーツアルトがお気に入りだったのか何曲も彼の詩による歌曲を書いていますが、ハイドンもフィーリングが合ったのでしょうか。この歌曲集に2曲、彼の詩につけた歌を入れています。
こちらの曲はかなりベタな内容なので特にコメントするまでもないかと思いますが、ハイドンの生き生きしたメロディに乗せてとても印象的な歌が聴けます。「ダメよ(Nein)」の繰り返しがとっても可愛らしいふたりのトボケた会話はまるでコメディドラマを見ているかのよう。爽やかなユーモアにあふれた歌曲です。
( 2009.11.15 藤井宏行 )