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An die Hoffnung   Op.94  
 
希望に寄せて  
    

詩: ティートゲ (Christoph August Tiedge,1752-1841) ドイツ
    Urania - Erster Gesang (Klagen des Zweiflers)  Ob ein Gott sei? Ob er einst erfülle

曲: ベートーヴェン (Ludwig van Beethoven,1770-1827) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Ob ein Gott sei? Ob er einst erfülle,
Was die Sehnsucht weinend sich verspricht?
Ob,vor irgendeinem Weltgericht,
Sich dies rätselhafte Sein enthülle?
Hoffen soll der Mensch! Er frage nicht!

Die du so gern in heil'gen Nächten feierst
Und sanft und weich den Gram verschleierst,
Der eine zarte Seele quält,
O Hoffnung! Laß,durch dich empor gehoben,
Den Dulder ahnen,daß dort oben
Ein Engel seine Tränen zählt!

Wenn,längst verhallt,geliebte Stimmen schweigen;
Wenn unter ausgestorb'nen Zweigen
Verödet die Erinn'rung sitzt:
Dann nahe dich,wo dein Verlaßner trauert
Und,von der Mitternacht umschauert,
Sich auf versunk'ne Urnen stützt.

Und blickt er auf,das Schicksal anzuklagen,
Wenn scheidend über seinen Tagen
Die letzten Strahlen untergehn:
Dann laß' ihn um den Rand des Erdentraumes
Das Leuchten eines Wolkensaumes
Von einer nahen Sonne seh'n!

神はおられるのだろうか?そしていつの日か実現して下さるのだろうか
この憧れが涙を流しながら求めてきたものを?
そしてこの世の審判の中で
それは奇跡として明かされるのだろうか?
人はただ希望を持てばいい!訊いたりはしてはならぬ!

お前は聖なる毎夜を喜んで祝い
穏やかに優しく悲しみを癒すのだ
繊細な魂を痛めつける悲しみを
おお希望よ!お前によって高みへと導き
この苦しむ者にも感じさせてくれ、その場所で
ひとりの天使がその涙を流しているのを!

ゆっくりと消え去って、愛しい声もずっと押し黙ったとき
枯れてしまった枝の下に
打ち捨てられた思い出が残っているとき
お前の近くに、お前の大切な人が悲しんでいるところに
そして真夜中にあたりを見回しているところに
沈み行くつぼの上に自らを支えている

それから見つめるのだ、運命を嘆きつつ
その日々に別れを告げようと
最後の光が沈んでゆくときに
この地上の夢の果ての
雲をふちどる光が
近くにある太陽より発せられるのを見せるのだ



ベートーヴェンはこの詩に2回メロディをつけています。最初は比較的若い頃に、1番目のスタンザを省いた形で(作品32)、そして2度目は1813年の壮年期に作品94として詩の全部に。かなり愛着のある詩であったということは言えるのでしょう。

( 2009.04.01 藤井宏行 )


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