Rings ist der Wald Op.55-3 Zigeunermelodien (Cigánské melodie) |
あたりの森は ジプシーのメロディー |
Rings ist der Wald so stumm und still, das Herz schlägt mir so bange; der schwarze Rauch sinkt tiefer stets, und trocknet meine Wange Ei,meine Tränen trocknen nicht,. Musst and're Wangen suchen! Wer nur den Schmerz besingen kann,. Wird nicht dem Tode fluchen. (チェコ語詞) A les je tichý kolem kol, jen srdce mír ten ruší, a černý kouř,jenž spěchá v dol, mé slze v lících,mé slze suší. Však nemusí jich usušit, necht' v jiné tváře bije. Kdo v smutku může zazpívat, ten nezhynul,ten žije,ten žije! |
あたりの森は音もなく静まり返り わたしの心臓は不安で高鳴っている 黒い煙が深く沈んできて あたしの頬を乾かす ああ、あたしの涙は乾きはしない 別の頬もきっと濡らすの! 痛みの中で歌を歌える人は 死を呪ったりはしないのだから あたりの森は音もなく静まり返り わたしの心の平安だけが消え去っている 黒い煙がたなびき下るとき わたしの涙が流れだし、そして乾く だけど涙は乾きはしない 別の頬を濡らしましょう 悲しみの中で歌を歌える者は 死ぬことはない、生きる、生きるの! |
第3曲は非常に静かな曲。ブラームスの「静かな森の中へ」など、一連の森をテーマにしたドイツリートを思わせる重厚さを感じさせます。ただ他の強烈な曲に比べるとどうしても影が薄くなっていますが。
しかしながら歌詞の差異はここでも興味深いところ。特に一番最後のところがチェコ語ではストレートです。ただドラマティックな(芝居がかった?)表現はドイツ語版の方が豊富でしょうか。
「別の頬」というのがちょっと意味が取れなかったのですが(チェコ語の方では「別の顔」の方が正しいかも知れません)、これは他の人にも自分のこの悲しみを歌うことによって伝えるとでもいったことでしょうか。原詩集では11番目。以下に大元の詩を載せます。
A les je klidný kolem kol,
jen srdce klid ten ruší,
a černý kouř,jenž spěchá v dol,
mé slzy v lících suší.
Však nemusí jich usušit,
nechť jiné tváře kryje,
kdo v smutku může zazpívat,
ten nezhynul - ten žije! -
( 2009.09.18 藤井宏行 )