Il tramonto 6 romanze |
夕暮れ 6つのロマンツェ(1845) |
Amo l'or del giorno che muore Quando il sole già stanco declina, E nell'onde di queta marina Veggo il raggio supremo languir. In quell'ora mi torna nel core Un'età più felice di questa; In quell'ora dolcissima e mesta Volgo a te,cara donna,il sospir. L'occhio immoto ed immoto il pensiero, Io contemplo la striscia lucente Che mi vien dal seren,dal sereno occidente La quiete solcando,solcando del mar E desio di quell'aureo sentiero Ravviarmi sull'orma infinita Quasi debba la stanca mia vita Ad un porto di pace guidar. |
私は愛する たそがれ行く時間を 太陽が既に疲れ切って傾く時 静かな海の波間へと 最後の光が消えようとあえぐのを見る その時に私の心に戻ってくるのだ 今よりもずっと幸せだった時のことが とても甘く悲しいその時に お前に向かっていくのだ、愛する人よ、この溜息は 瞳を凝らし、思いを凝らしながら 私は見つめるのだ 光の帯を 光は晴れ渡った西の方から射してきて 静かにうねらせる、うねらせるのだ 海を そして私は願う この輝く道をたどりたいと もう一度永遠にたどっていきたいと それはまるでこの疲れ果てた人生を 天上の平安へと導いてくれるかのようだ |
人間くさい情念を流麗なカンターヴィレに乗せて歌い上げるヴェルディの音楽に、見事な大自然の情景が絡み合ってすばらしい歌が生まれました。私はヴェルディの歌曲の中でもこれが一番の傑作だと思います。ヴェルディと「真っ赤な夕焼け」、確かに相性は良いだろうなとは思っておりましたがここまで見事にハマるとは予想しておりませんでした。秋の夕暮れに誰もいない海辺で独りで聴いたら涙がでてきそうです。
( 2009.08.24 藤井宏行 )