Stornello |
ストルネッロ |
Tu dici che non m'ami... anch'io non t'amo... Dici non vi vuoi ben,non te ne voglio. Dici ch'a un altro pesce hai teso l'amo. Anch'io in altro giardin la rosa coglio. Anco di questo vo'che ci accordiamo: Tu fai quel che ti pare,io quel che voglio. Son libero di me,padrone è ognuno. Servo di tutti e non servo a nessuno. Costanza nell'amor è una follia; Volubile io sono e me ne vanto. Non tremo più scontrandoti per via, Né,quando sei lontan mi struggo in pianto. Come usignuol che uscì di prigionia Tutta la notte e il dì folleggio e canto. |
お前は言う 私を愛していないと...私もお前なんか愛さない... お前は言う 私なんかもう欲しくないと...私もお前なんか欲しくない お前は言う 別の魚を釣るため釣り針を垂らしたと だから私も別の庭でバラを摘むこととしよう さあ だからこのことにお互い同意しよう お前はお前のしたいことをする、私は私のしたいことを 私は自分を自由にする、主人公はひとりひとり あらゆる人に仕えていようと 私は誰にも使えてはいないのだ 変わらぬ愛など馬鹿げた妄想 私は気まぐれで、そして自信家だ ちっとも震えなどせぬ お前に出くわそうが お前が去ったといって泣きはしない 鳥かごから逃れ出たナイチンゲールのように 夜も昼もずっと喜び歌うのだ |
作者不詳の詞につけたこの作品、皮肉に満ちた戯れ歌で、ぱっと聴きにはヴェルディの書いたメロディとはとても思えませんでした。ただ不思議な雰囲気で忘れ難く、何度も聴きこんでいくうちに彼の個性が存分に発揮された面白い歌だということが分かってきます。彼の歌曲作品の中では比較的後期、1869年に年友人の台本作家ピアーヴェが急病にかかり、その救済のための資金集めとして書かれたものです。ストロネッロというのは民謡詞のある種の形態のことだそうで、他にもレスピーギやチマーラなど多くのイタリアの作曲家がこのタイトルで歌曲を書いています。邦題では訳さずにそのままにしていることが多いですが、中には意訳して「民謡」というタイトルを付けるものもありました。
( 2009.08.23 藤井宏行 )