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Keiser Karl V in Wittenberg   Op.99-2  
  Keiser Karl V
ヴィッテンベルクのカール五世  
     皇帝カール五世

詩: ホールフェルト (Christoph Christian Hohlfeld,1776-1849) ドイツ
      

曲: レーヴェ (Johann Carl Gottfried Loewe,1796-1869) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Ernst ritt der Kaiser in die heil'gen Hallen;
ein Hochgefühl schwellt seine Heldenbrust:
Die Veste ist in seine Hand gefallen,
und triumphirend ist er sich's bewußt.
Drommetenton und Waffenklang erschallen:
“Don Karlos lebe!” jauchzt die wilde Lust.
Die Lutherstadt erdröhnt vom Ruf der Krieger
und huldigt still und trauernd ihrem Sieger.

Und schweigend steht er in des Tempels Mauern,
und um ihn her der Führer stolze Schar,
ergriffen fühlt er sich von heil'gen Schauern,
und langsam naht sein Fuß dem Hochaltar,
er sieht es nicht,wie Alba's Blicke lauern,
denn vor ihm ruht ein fürstlich Bruderpaar;
ein Friedrich ist's,den man den Weisen nannte,
und ein Johann,der Menschenfurcht nicht kannte.

“Und Luther ruht hier an der Fürsten Seite?”
ruft Karl empört,”und hier im Gotteshaus?”
Und Alba grollt: “Dem Abgrund seine Beute!
Befiehl,Monarch: Grabt diesen Frevler aus!
Er ist der Quell von unserm blut'gen Streite,
sein Name füllt die Welt mit Schutt und Graus.
Er soll nicht mehr dies Heiligtum entweihen
laß seinen Staub in alle Winde streuen!”

Doch Karlos spricht mit ruhiger Geberde,
und himmelan hebt er die Herrscherhand:
“Mein Reich beschränkt ein kleiner Kreis der Erde,
und über uns glänzt der Vergeltung Land;
es ziemt mir nicht,daß ich sein Richter werde,
da droben er schon einen höhern fand!
So spricht mein Herz,dies,Alba,ist mein Glaube,
drum laß ihn ruh'n,und Friede seinem Staube!”

厳粛に歩まれる 皇帝は 神聖なる大広間へと
昂ぶる思いが彼の胸を膨らませる
この砦は彼の手に落ちたのだ
勝ち誇って 彼はそのことを感じている
ラッパの響きと武具の音が響き渡る
ドン・カルロス万歳 荒々しい喜びの歓声
このルターの町にも戦士たちの叫びが轟き
静かに悲しげに讃えている 勝利者に

黙ったまま彼は寺院の壁に立つ
周りには誇らしげな家臣たちがいる
彼は感じたのだ 聖なるおののきを
そしてゆっくりとその足を祭壇へと向ける
彼は見ていない アルバ候の眼差しに潜むものを
目の前には横たわっていた 二人の侯爵の兄弟が
ひとりはフリードリッヒ 賢候と呼ばれていた
もうひとりはヨハン 人の恐怖を知らぬ者だ

ではルターはここに眠っておるのか 領主の傍に?
カールは怒って叫ぶ この神の家の中にか?
アルバはうめく 地獄で餌食となるがいい!
ご命令を 陛下 悪人の墓を掘り返しましょうぞ!
こやつこそわれらが血の争いの根源
その名はこの世を破壊と恐怖で満たしたのです
これ以上この聖域を汚させてはなりませぬ
こやつの遺灰をあらゆる嵐で吹き散らさせましょうぞ!

だがカルロスは語る 落ち付いた様子で
天高くその支配者の手を差し上げて
わが王国は大地という小さな輪で限られておるが
われらの上には報いの国が輝いておる
余にはふさわしくない この者の裁き手となるのは
天にこやつは既に気高き裁き手を見出しておるのだ
かようにわが心は語っておる アルバよ これが余の思いじゃ
ゆえにこやつは安らがせて置け かの塵に安らぎを!


カール五世はカトリックの守護者として、当時現れて勢力を伸ばしてきたプロテスタントと激しく対立します。宗教だけでなくそこに政治的な対立も絡んで、この歌にも出て来るザクセン選帝候ヨハンを中心にルター派諸侯がプロテスタント陣営を結集し、カール5世の陣営と対立します。この詩は1547年、カール5世がプロテスタントとの戦いに勝利してプロテスタントの牙城ヴィッテンベルクに入城し、プロテスタントの創始者マルティン・ルターの墓を訪れたときのエピソードです。ラッパの響きを思わせる勇ましい導入部、行軍のリズムなどのモティーフを使いつつ手堅く盛り上げて行きます。

( 2003.10.01 藤井宏行 )


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