Katy Bell |
ケイティ・ベル |
Going down the shady dell Where the honey suckles grow I met lovely Katy Bell With her dimpled cheeks aglow Oh! the beauties of her face. As she flitted by apace, With a step of fairy grace, My poor words can never tell. (chorus) Katy Bell lives in the dell, How I love her none can tell. All the flowers in the dell Seem'd to own her for their queen Bright and peerless Katy Bell Fairer flowr was never seen How I loved the very ground, Over which she'd lightly bound, With her sunny ringlets crown'd, I can never never tell. (chorus) Katy Bell lives in the dell, How I love her none can tell. Long I waited in the dell, Where the honeysuckles grow, Waited for sweet Katy Bell, Till the sun was sinking low, And before I left her side, In the quiet eventide I had won her for my bride, Won my bonny Katy Bell. (chorus) Katy Bell lives in the dell, How I love her none can tell. |
翳った谷間を下っていく 甘いスイカズラが生えてるところを そこで俺は可愛いケイティ・ベルに会った えくぼの頬を赤らめた彼女に おお!彼女の顔のきれいなこと 彼女が軽やかに飛び回るとき その妖精のようなステップ そりゃ俺の貧しい言葉じゃ語りつくせない (合唱) ケイティ・ベルは谷間に住んでる 俺がどれほど愛してるか 誰も語りつくせない 谷間のあらゆる花たちは 彼女を女王に戴いてるようだ 明るく無比のケイティ・ベル 彼女よりキレイな花は見つかりはしない どんなに俺がその地面までを愛しているか その上で彼女が軽やかに飛び跳ねるならば 冠を載せたような輝く巻き毛 俺は決して 決して語りつくせない (合唱) ケイティ・ベルは谷間に住んでる 俺がどれほど愛してるか 誰も語りつくせない ずっと俺は谷間で待ってた 甘いスイカズラが生えてるところで かわいいケイティ・ベルを待ってたのさ 太陽が低く傾くまで そして俺が彼女の傍らを去る前には この静かな夕暮れに 俺は彼女を花嫁にしたのさ 俺のきれいなケイティ・ベルを (合唱) ケイティ・ベルは谷間に住んでる 俺がどれほど愛してるか 誰も語りつくせない |
フォスターの作品の中ではたくさんある女性の名前をタイトルにしている曲、その中でも恐らく一番最後に書かれた作品がこの曲です(同じ年にはもう一曲、“Jenny June”というのがあります。こちらとどちらが後になるかは調べきれませんでした)。恋する女性のことを思う歌は人種や身分を越えて様々なシチュエーションで書いている彼ですけれども、この「ケイティ・ベル」はどんな身分のどんな女性なのかちょっと想像もつかないところはあります。御伽噺のような不思議な詩(特に最後は突然彼女が花嫁になっているところなど謎以外のなにものでもありません)に、快活でありながらどこかたゆたうようなメロディはたいへんに印象的。シンプルな作りですが耳にしっかりと残ります。フォスター晩年の作品の中では比較的良く聴くことのできる曲のひとつではないでしょうか。
( 2009.08.01 藤井宏行 )