Ich wollt ein Sträußlein binden Op.68-2 TrV 235 Sechs Lieder nach Gedichten von Clemens Brentano |
わたしは一本の花束を作りたかったの クレメンス・ブレンターノの詩による6つの歌曲 |
Ich wollt ein Sträußlein binden, Da kam die dunkle Nacht, Kein Blümlein war zu finden, Sonst hätt ich dir's gebracht. Da flossen von den Wangen Mir Tränen in den Klee, Ein Blümlein aufgegangen Ich nun im Garten seh. Das wollte ich dir brechen Wohl in dem dunklen Klee, Doch fing es an zu sprechen: »Ach,tue mir nicht weh! Sei freundlich im Herzen, Betracht dein eigen Leid, Und lasse mich in Schmerzen Nicht sterben vor der Zeit!« Und hätt's nicht so gesprochen, Im Garten ganz allein, So hätt ich dir's gebrochen, Nun aber darf's nicht sein. Mein Schatz ist ausgeblieben, Ich bin so ganz allein. Im Lieben wohnt Betrüben, Und kann nicht anders sein. |
わたしは一本の花束を作りたかったの それなのに暗い夜がやってきてしまった 一輪の花さえ見つからない でなかったらわたしはそれをあなたに持っていけたのに そしたらほほを伝って落ちたの 私の涙がクローバーの上に 一輪の小さな花が咲いてるのを わたしはやっと見つけた この庭の中 その花をわたしはあなたのために摘もうとしたわ 暗いクローバーの中から だけど花が話しはじめたの 「ああ、あたしを傷つけないで! 心の中を親切にして あなたの持っている悲しみのことを考えてみて そしてあたしを苦しみの中で その時がくる前に死なせないでください」 もし花が話しかけてなかったなら この庭の中でたったひとり わたしはあなたのためにそれを摘んでいたでしょう でも今それはできなくなった わたしの大切なひとは遠くに行ったまま わたしはひとりぼっち 愛の中に悲しみが住む 他にどうしようもない |
この曲もOp.68のブレンターノ歌曲の中では比較的歌われる作品でしょうか。コロラトゥーラの軽やかな技巧がさりげなく織り込まれていてなかなかに印象的なメロディです。詩は何かの寓意でしょうか。ちょっと幻想的なたたずまいも感じさせながら静かに歌われていきます。
この歌詞は1804のセヴィリアが舞台の喜劇「ポンス・ド・レオン Ponce de Leon」より貧乏人の娘ヴァレリアの歌として書かれています(第2幕)。
( 2008.10.01 藤井宏行 )