Winternacht Op.15-2 TrV 148 Fünf Lieder |
冬の夜 5つの歌曲 |
Mit Regen und Sturmgebrause sei mir willkommen,Dezembermond, und führ mich den Weg zum traulichen Hause, wo meine geliebte Herrin wohnt. Nie hab' ich die Blüte des Maien, den blauenden Himmel,den blitzenden Tau so fröhlich gegrüßt wie heute dein Schneien, dein Nebelgebräu und Wolkengrau; denn durch das Flockengetriebe, schöner als jeder Lenz gelacht, leuchtet und blüht der Frühling der Liebe mir heimlich nun in der Winternacht. |
雨と嵐と共に よくきたね 12月の月よ ぼくを連れて行ってくれよ 愛する人の家まで そこにはぼくの愛する人が住んでるんだ 5月の花盛りもいらなけりゃ 青い空も、きらめく露もいらない とっても元気に歓迎しよう 今日のおまえの雪を おまえの立ち込める霧と雲の灰色を なぜってこの雪の舞う中に ほほえむ春よりも美しく 輝き 咲き出でるのは春の想い ぼくに密やかに この冬の夜に |
厳しいドイツの冬の情景ですが、この主人公は幸せそうです。冒頭の暗く厳しい調べがいつしかホンワカとなって甘いメロディを歌うのがなかなかにユーモラス。あまり取り上げられない作品ですが魅力的だと思います。この曲からはじまって作品15の5曲中の4曲、作品17の6曲全部、作品19の6曲全部と合わせて16曲がミュンヘンの詩人、アドルフ・フォン・シャックの手になるものになります。さすがにこれだけの数ともなりますと多彩な内容で面白く聴けますが、まとめて取り上げられることはほとんどなくもったいないところ。いくつかの作品はシュトラウス歌曲の代表作と言えるほど良く取り上げられるのですけれども。
( 2009.10.01 藤井宏行 )