Der alte Goethe Op.9-2 Gesammelte Lieder,Gesänge,Romanzen und Balladen |
老ゲーテ 集められた歌曲・歌・バラードとロマンス Heft 9 |
Als ich ein junger Geselle war, lustig und guter Dinge, da hielten die Maler offenbar mein Gesicht für viel zu geringe; dafür war mir manch schönes Kind dazumal von Herzen treu gesinnt. Nun ich hier als Altmeister sitz', rufen sie mich aus auf Straßen und Gaßen, zu haben bin ich,wie der alte Fritz, auf Pfeifenköpfen und Tassen. Doch die schönen Kinder die bleiben fern. O Traum der Jugend! O goldner Stern! |
わしがもっと若造だったときには 愉快に楽しかったもんだ そのときにゃ画家どもはまるで わしの肖像画などに値打ちを認めんかった だがそのときにゃ わしにはたくさんのきれいな娘がいた まことの心を持った娘らが 今やわしは巨匠で通っとる みなわしの名を呼ぶ 通りでも小道でも わしは描かれる、かの老フリッツのように パイプをくわえてキャップをかぶり だが若い娘たちといやあ 寄り付きゃあしない おお青春の夢よ! おお金の星たちよ! |
フェステルの原詩には「ゲーテ」という言葉はどこにもないようですが、老いてもなお熱い恋心を忘れなかったかのゲーテのつぶやきでも不思議でない内容ではあります。功なり名遂げた偉人のささやかな悩み、なんとも微笑ましいです。
「老フリッツ」というのはプロシャの大王フリ-ドリッヒ2世の晩年の愛称なのだそうです。確かに王様なら有名人ですね。(2009.04.30)
詩人別のページを作るために色々調べておりましたら、ゲーテ自身の詩「世のならい Lauf der Welt」〜エピグラム風に U(Epigrammatisch II) というものがこの詩そのものであることを見つけました。フェルステル作詞というのが間違いで、実際にゲーテ自身の詩を用いているのではないでしょうか。もう少し確証が取れましたら、この詩の作者もゲーテに差し替えたいと思います。
(2016.09.17)
( 2009.04.30 藤井宏行 )