Mädchenlied Op.107-5 Fünf Lieder |
乙女の歌 5つの歌曲 |
Auf die Nacht in der Spinnstub'n da singen die Mädchen, da lachen die Dorfbub'n, wie flink geh'n die Rädchen! Spinnt Jedes am Brautschatz, daß der Liebste sich freut. Nicht lange,so gibt es ein Hochzeitgeläut. Kein Mensch,der mir gut ist, will nach mir fragen; wie bang mir zu Mut ist, wem soll ich's klagen? Die Tränen rinnen mir übers Gesicht wofür soll ich spinnen? Ich weiß es nicht! |
夜 糸紡ぎの部屋の中 そこで娘たちが歌っている そこで村の男の子たちは笑ってる 何て速いんだ 糸車が回るのは! めいめいが紡ぐのだ 嫁入り衣装を 自分の恋人を喜ばせようと そんなに遠い先でなく 鳴ることだろう ウエディングベルが 誰もいない、私に親切な人で 私に問いかけてくれる人は どんなに私の心が不安なのかを 誰にわたしはこの悩みをぶつければいいの? 涙が流れ落ちる 私の顔の上 何のために私 糸を紡いでるの? 私はわからない! |
不思議な雰囲気の歌です。婚礼を前にした娘たちの華やかな姿を描きながら、同時にこれから見知らぬ世界へと踏み出して行く不安さ、今までの人生を捨て去らねばならなくなる悲しみのようなものがしっとりと歌われています。民謡のような素朴な3拍子がしみじみと印象的。前半の2連は視点が外からですが、いつのまにか糸を紡ぐ娘の視点に変わっています。この娘には恋人がいないから悲しんでいるのだ、という解釈もありますが、私は誤解かも知れないと思いつつも嫁ぎ行く娘の不安をこの詩と音楽からは感じました。
( 2009.05.05 藤井宏行 )