O lieb,so lang du lieben kannst S.298 |
おお愛せよ、お前が愛しうる限り |
O lieb,so lang du lieben kannst! O lieb,so lang du lieben magst! Die Stunde kommt,die Stunde kommt, Wo du an Gräbern stehst und klagst. Und sorge,daß dein Herz glüht Und Liebe hegt und Liebe trägt, So lang ihm noch ein ander Herz In Liebe warm entgegenschlägt. Und wer dir seine Brust erschließt, O tu ihm,was du kannst,zu lieb! Und mach ihm jede Stunde froh, Und mach ihm keine Stunde trüb. Und hüte deine Zunge wohl, Bald ist ein böses Wort gesagt! O Gott,es war nicht bös gemeint,- Der andre aber geht und klagt. O lieb,solang du lieben kannst! O lieb,solang du lieben magst! Die Stunde kommt,die Stunde kommt, Wo du an Gräbern stehst und klagst! |
おお愛せよ、お前が愛しうる限り! おお愛せよ、お前が愛したいだけ! その時は来るのだ、その時は来るのだ お前が墓の前に立って歎く時が だから心せよ、お前の心が燃え立つことを 愛をはぐくみ、愛を携えることを その愛がなお他のひとりの心と 愛の中で 暖かく共に脈打つ限り お前にその心を開く者に おおお前は彼に、できうる限り、優しくあれ! 彼をあらゆる時に幸福にせよ 彼をいかなる時にも悲しませるな! そして気をつけるのだ お前の舌には十分に 間違ったことを言ってしまったあとですぐに ああ神様、そんなつもりではなかったのと言っても 彼は去って行ってしまうだろう 嘆きと共に おお愛せよ、お前が愛しうる限り! おお愛せよ、お前が愛したいだけ! その時は来るのだ、その時は来るのだ お前が墓の前に立って歎く時が |
ピアノ曲「愛の夢第3番」のとろけるように美しいメロディとして、リストの作品の中でも一二を争う有名曲ですが、その原曲はここにご紹介したような歌曲です。その陶酔的なメロディより容易に予想されるように、ちょっと恥ずかしくなってしまうような愛の歌です。ただ少々上から目線の説教調になってしまっているところがマイナスでしょうか。特に4連目の「口のきき方には気をつけろ」なんていうフレーズは、音楽が転調して深刻に重くなるところで歌われているのでちょっと勘弁して欲しいと思ってしまうところですが。
原詩は10連からなるもっと長いものですが、リストはその前半5連を取り上げました。基本的には有名なピアノ曲と同じ作りですが、もちろん伴奏のピアノは独奏のときほど技巧に走ってはおりません。
( 2009.04.30 藤井宏行 )