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Feldeinsamkeit   Op.86-2  
  Sechs Lieder
野原にひとりぼっち  
     6つの歌曲 

詩: アルマース (Hermann Allmers,1821-1902) ドイツ
      

曲: ブラームス (Johannes Brahms,1833-1897) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Ich ruhe still im hohen grünen Gras
Und sende lange meinen Blick nach oben,
Von Grillen rings umschwirrt ohn Unterlaß,
Von Himmelsbläue wundersam umwoben.

Die schönen weißen Wolken ziehn dahin
Durchs tiefe Blau,wie schöne stille Träume;
Mir ist,als ob ich längst gestorben bin
Und ziehe selig mit durch ew'ge Räume.

ぼくは静かに 背の高い緑の草むらに安らぐ
そして視線をはるかな高みに向けている
止むことなく鳴き続ける虫の声と
空の青さに心地よく包まれながら

美しい白い雲は遠くへ流れ
深い青さは、まるで美しい静けき夢のよう
ぼくはまるでずっと昔に死んでしまっていて
永遠の空間を幸せに漂っているみたいだ


「野の寂寞」という難しいタイトルで昔から良く知られた、人によればブラームスの歌曲の最高傑作と呼ばれることもある歌です。メロディが地味なので取っ付きはあまりよくありませんが、聴きこむほどに味わいが増して良さがじんわりと分かってくる、そんな作品でしょうか。詩人のアルマースもこの曲はあまり気に入っていなかったというエピソードがありますが、その取っ付きの悪さで損をしたというところでしょうか。

( 2009.05.05 藤井宏行 )


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