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Süsses Begräbniss   Op.62-4  
  Rückerts Gedichte Heft 1
安らかなとむらい  
     リュッケルトの詩 第1巻

詩: リュッケルト (Friedrich Rückert,1788-1866) ドイツ
      Süsses Begräbniss

曲: レーヴェ (Johann Carl Gottfried Loewe,1796-1869) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Schäferin,ach,wie haben
Sie dich so süß begraben!

Alle Lüfte haben gestöhnet,
Maienglocken zu Grab dir getönet,
Glühwurm wollte die Fackel tragen,
Stern ihm selbst es tät versagen.
Nacht ging schwarz in Trauerfloren,
Und all ihre Schatten gingen in Chören
Die Tränen wird dir das Morgenrot weinen,
Und den Segen die Sonn' aufs Grab dir scheinen.

Schäferin,ach,wie haben
Sie dich so süß begraben!

羊飼いの娘よ、ああ、なんと安らかに
お前はとむらってもらったことか。

風はみなうなり声をあげ、
スズランはお前の墓に鐘の音を鳴らした。
ホタルは灯りをかざそうとし、
星は自分のために輝くことを我慢した。
夜は喪章を付けて暗さを増し、
そうして、それらすべての影が合唱の響きの中を進み行った。
曙の光はお前のために涙を流し、
太陽はお前の墓に祝福の輝きを降らせてくれるだろう。

羊飼いの娘よ、ああ、なんと安らかに
お前はとむらってもらったことか。

カール・レーヴェといえばまず誰もがバラードを思い浮かべるのが普通でしょう。
彼の作品の中でよく演奏されるものといえば「魔王」「海を行くオーディン」
「オールフ氏」「エトヴァルト」など、劇的な物語の展開にその妙味を味わう曲が多いと
言えます。
それらの歌曲を歯切れのよいF=ディースカウや貫禄のホッター、美声を生かした
プライなどで聴くのはとても楽しいものです。

しかし、彼の膨大な独唱曲の中で地味ながらかなりの数を占めているのが純粋な叙
情歌曲の類です。
cpoレーベルの全集などを聴いていると、案外バラードよりも普通のリートの方が
多いのではないかという気もします。

そうした中で、忘れがたいメロディーの美しさを持っているのが、このリュッケル
トの詩による「Suesses Begraebnis」です。

リュッケルトはシューベルトの珠玉の5曲やシューマン、マーラーなどによる作品
がありますが、レーヴェは作品62をリュッケルトの詩による「リーダークライス」と
して12曲の歌曲集にまとめました。有名な「不完全な抑揚格(イアンボス)」も含
む、3分にも満たない小曲ばかりで気軽に聴くことが出来ます(複雑な史実に精通して
いることが要求されるバラードが苦手な方にもおすすめです)。

この「安らかなとむらい」は歌とピアノのハーモニーが美しく、特に最後の「安ら
かに」(so suess)の箇所における歌とピアノの二重“唱”は「suess」という単語
の最高の解釈の1つでしょう。
風や星、動植物が登場するあたりがいかにも抒情詩の典型という感じで、リートを
聴く楽しみを満喫させてくれます。

演奏はファスベンダー&ガルベン(DG:1987年)がこの二重“唱”をくっきりと
聴かせてくれて特に気に入っています。
ほかにF=ディースカウ&ムーア(EMI:1967年)やcpoレーベルの全集第4巻
ロスマニト(S)&ガルベン(1994年)が名演です。
それにしても、コルト・ガルベンのレーヴェに寄せる情熱は半端ではなく、レー
ヴェのピアノ・ソナタまで録音しているほどです。

( 2002.02.20 フランツ・ペーター )


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