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Seufzer eines Ungeliebten und Gegenliebe   WoO.118  
 
愛されない者の溜息と愛の返答  
    

詩: ビュルガー (Gottfried August Bürger,1747-1794) ドイツ
    Lyrische Gedichte  Seufzer eines Ungeliebten & Gegenliebe

曲: ベートーヴェン (Ludwig van Beethoven,1770-1827) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Hast du nicht Liebe zugemessen
Dem Leben jeder Kreatur?
Warum bin ich allein vergessen,
Auch meine Mutter du! du Natur?

Wo lebte wohl in Forst und Hürde,
Und wo in Luft und Meer,ein Tier,
Das nimmermehr geliebet würde?
Geliebt wird alles,wird alles ausser mir,ja alles außer mir!

Wenngleich im Hain,auf Flur und Matten
Sich Baum und Staude,Moos und Kraut
Durch Liebe und Gegenliebe gatten;
Vermählt sich mir doch keine Braut.

Mir wächst vom süßesten der Triebe
Nie Honigfrucht zur Lust heran.
Denn ach! Mir mangelt Gegenliebe,
Die Eine,nur Eine gewähren kann.



Wüsst' ich,dass du mich
lieb und wert ein bisschen hieltest,
und von dem,was ich für dich,
nur ein Hundertteilchen fühltest;

dass dein [Danken]1 meinem Gruß
halben Wegs entgegenkäme,
und dein Mund den Wechselkuss
gerne gäb' und wieder nähme:

Dann,o Himmel,außer sich,
würde ganz mein Herz zerlodern!
Leib und Leben könnt' ich dich
nicht vergebens lassen fordern!

Gegengunst erhöhet Gunst,
Liebe nähret Gegenliebe
und entflammt zu Feuersbrunst,
was ein Aschenfünkchen bliebe.

お前は愛を分かち与えてはくれてきたのではないか
あらゆる生きるものたちに?
なぜ私だけが忘れられているんだ
母であるお前にまで!なあ大自然よ?

どこで生きているというのか 森の中や群れの中
大気や海の中で けものが
全く愛を受けることなしに
すべてのものは愛されている、そうだ私以外のすべては!

同じように茂みの中、野原や牧場でも
木と灌木、苔と草は
愛と愛とで結ばれているというのに
私と結婚してくれる花嫁だけがいないのだ

情熱の最も甘いところでも私にもたらしてはくれぬ
快楽の蜜の果実を
なぜならああ! 私に愛を返してくれるものがいないから
たったひとり、ひとりの愛してくれる人さえもが



私が知っていたなら、あなたが私を
愛し ほんのわずかでも想ってくださる価値があるのなら
そしてそのことを 私があなたから
ほんの百分の一でも感じることができたなら

私のあいさつへのあなたのすてきな感謝が
半分だけでも返ってくれば
そしてあなたのくちびるがキスの交換を
喜んで与え また受け取ってくれるのならば

そうしたら、おお天国よ、我を忘れて
私のハートは燃え尽きてしまうことでしょう!
この体も 命も私はあなたに
空しく求めさせるようなことはできないでしょう

好意は好意によって高められ
愛は愛によって育まれるのです
そして爆発するまで燃え上がることでしょう
灰の中に燃え残っていた火の粉でも


非常に個人的には共感できてしまう最初の愛されない男の歌の部分は、重々しくも激しく不満をぶつける冒頭のレシタティーヴォがことさらに胸を打ちます。更にそのあとの歌の部分は情けなくも切々と訴えかけ、これもまた面白いです。ところがこの返答が始まったとたんに音楽は限りなく流麗に、華やかになり、歌詞のへりくだり方といい何とも言えないカタルシスを与えてくれるという3段攻撃。ベートーヴェンの歌曲の中でも屈指の手の込んだ曲でしょうか。ひとりの歌手によって歌われることが多いですが、中にはこの愛されない男の部分とその返答を別の歌手(もちろん返答の方は女性が歌います)に分けて歌われることもあります。返答の冒頭部分のWüsst' ichがこのかたちで聴くとまた非常に鮮烈。機会がありましたらぜひお聴きください。またそういうこともあってかこの男の語りの部分と返答をそれぞれ別の曲として数えることもあるようです。
あと特筆すべきこととしてはこの返答の部分の鮮烈なメロディ、のちに「合唱幻想曲(1808)」の主題として転用され、そして少々形を変えてかの第9交響曲第4楽章「歓喜の主題」として受け継がれていったということがあります。私も初めて聴いたときはびっくりしたのですが、この歌曲がオリジナルです。

( 2009.04.01 藤井宏行 )


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