Das erste Veilchen Op.19a-2 6 Gesänge |
初めてのスミレ 6つの歌 |
Als ich das erste Veilchen erblickt, Wie war ich von Farben und Duft entzückt! Die Botin des Lenzes drückt' ich voll Lust An meine schwellende,hoffende Brust. Der Lenz ist vorüber,das Veilchen ist tot; Rings steh'n viel Blumen blau und rot, Ich stehe inmitten,und sehe sie kaum, Das Veilchen erscheint mir im Frühlingstraum. |
ぼくが初めてのスミレを目にしたときに どれだけその色と香りに魅せられたことか! この春の使いをぼくは喜びいっぱいに押し当てたのだ この膨れ上がった、希望に満ちた胸に 春は過ぎ去り、スミレは枯れた あたりにはまだたくさんの花があるけれど 青や赤の 私はその中に立っても、ほとんど目には入らないのだ あのスミレがぼくの前に立ち現われてくるものだから 春の夢の中 |
これもまた素朴この上ない歌です。春の喜びという点では前のOp.19-1「春の歌」とよく似ているところがありますが、この曲では春が過ぎ去ったあと音楽が暗転してしんみりとするところが違うでしょうか。Op.19に含まれた歌は構成に凝ったものが多く作曲者の成長と意欲を感じさせてどれも聴き応えがありますが、この曲はその中でも特によくできたもののひとつだと思います。
( 2009.04.01 藤井宏行 )