Weißer Jasmin Op.31-3 TrV 173 Vier Lieder |
白いジャスミン 4つの歌曲 |
Bleiche Blüte,Blüte der Liebe, Leuchte über dem Laubendach, Ruf' in klopfenden Mädchenherzen Blüte der Liebe die Sehnsucht wach. Deiner Kelche verströmender Atem zittert, Verzittert so schwer und stark, Schwül von deinen duftenden Kronen Weht der Nachtwind über den Park. In der Laube lauschen zwei Augen, Zögert und zagt ein Mädchenmund, Sorge dich nicht und laß dich küssen, Sieh' nur Sträucher raunen im Rund. Und es ruft dir im pochenden Herzen Weißer Jasmin die Seele wach. Weiße Blüte,Blüte der Liebe, Leuchte über dem Laubendach! |
青ざめた花、愛の花が 小屋の屋根の上で輝いている 脈打つ乙女のハートに呼びかける 愛の花よ、憧れよ目覚めよ! お前の花額から洩れる吐息が 震えるのだ、震えるのだとても激しく強く お前の香りの王冠の官能で 夜の風は庭園を行き過ぎ あずま屋の中目を凝らすふたつの瞳 ためらい震える乙女のくちびる お前を不安にせずお前にくちづけさせる 見るがいい、茂みがまわりでざわめいている そしてまた脈打つハートでお前を呼んでいる 白いジャスミンは魂を目覚めさせる 白い花、愛の花 小屋の屋根の上で輝いている |
作品31よりこれも「山のあなた」で知られる詩人カール・ブッセの詩につけた曲。恋する少女のときめく胸を描写したとても素朴で美しい歌です。ジャスミンというのは種類によってはツタのように屋根の上まで伸びて、そこで花を咲かせたりもするようで、ここで歌われているように「あずまやの屋根で咲く」白い花いっぱいの光景の写真もネットを検索すると見つけることができました。そしてこの中でひっそりと恋人に逢っている少女の描写は非常に美しいです。
残念ながらこの作品31はシュトラウスの歌曲の中でもあまり多く取り上げられることのない歌曲群なのですけれども、この曲に関してはルチア・ポップの素敵な歌の録音があります(EMI)。
( 2008.10.01 藤井宏行 )