An den fernen Geliebten Op.75-5 Sechs Gesänge |
遥かな恋人に 6つの歌曲 |
Einst wohnten süße Ruh' und gold'ner Frieden In meiner Brust; Nun mischt sich Wehmut,ach! seit wir geschieden, In jede Lust. Der Trennung Stunde hör' ich immer hallen So dumpf und hohl, Mir tönt im Abendlied der Nachtigallen Dein Lebewohl! Wohin ich wandle,schwebt vor meinen Blicken Dein holdes Bild, Das mir mit banger Sehnsucht und Entzücken Den Busen füllt. Stets mahn' es flehend deine schöne Seele, Was Liebe spricht: “Ach Freund! den ich aus einer Welt erwähle, Vergiß mein nicht!” Wenn sanft ein Lüftchen deine Locken kräuselt Im Mondenlicht; Das ist mein Geist,der flehend dich umsäuselt: “Vergiß mein nicht!” Wirst du im Vollmondschein dich nach mir sehnen, Wie Zephyrs Weh'n Wird dir's melodisch durch die Lüfte tönen: “Auf Wiederseh'n!” |
昔は甘い安らぎと黄金の憩いがあったというのに 私の胸の中には 今は必ず苦しみが混ざる、ああ!私たちが別れてからは どんな喜びの中にも 別れの時の鐘が響くのが私には聞こえる 鈍くうつろに ナイチンゲールの夕べの歌の中にさえも私は聞く あなたのさよならを! どこをさまようときでも私の目の前に浮かんでくる あなたの気高い姿が すると不安な憧れと喜びで この胸は満たされる いつでもあなたの魂を哀願するように呼び求める 恋が語るのは 「ああ友よ!私がこの世界で選んだ人よ 忘れないで!」 穏やかな風があなたの髪を揺らすときに 月の光の中で 私の心なのです あなたに訴えかけるのは 「忘れないで!」と あなたは月明かりあふれる中私に会いたいと思ってくれるでしょうか ゼフィールが行き過ぎるときには 空気を伝ってあなたにメロディのように響いてくるのです 「また逢いましょう」って |
このタイトルを見ますとベートーヴェンでも作品98の有名な歌曲集をまずは思い起こすところですが、詩は全く別物ですし、ここで歌っているのは女性ということになっているようです。歌詞もそんな雰囲気がありますし、よく女性歌手によって取り上げられているところを見てもそういうことなのでしょう。
( 2009.04.01 藤井宏行 )